黒埼ちとせ「進化論」
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74:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 19:45:14.49 ID:W5lmC8VA0
「……魔法使い」

 首を横に倒すと、部屋の隅に置かれた丸椅子に、魔法使いが足を組んで座っていた。


以下略 AAS



75:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 19:47:09.62 ID:W5lmC8VA0
「…………」

 藍子ちゃんは、何も言わなかった。

 私の額にそっと手をやり、口をギュッとつぐんで、今にも泣き出しそうだった。
以下略 AAS



76:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 19:52:56.96 ID:W5lmC8VA0
 私は藍子ちゃんの方を見つめた。
 これは、この子に返してあげるべき言葉だと思ったから。

「ちとせさん……?」

以下略 AAS



77:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 19:57:20.82 ID:W5lmC8VA0
 そう――。
 覚悟はしていたつもりでも、やっぱり、残念だなぁ。


「ねぇ、魔法使いさん」
以下略 AAS



78:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 19:59:12.29 ID:W5lmC8VA0
「ぷふっ。ククク……!」

 藍子ちゃんの膝の上で、私の頭がヒクヒクと揺れる。

 それに呼応するように、さっきまで大泣きしていた藍子ちゃんまでもが、今度は嬉し泣きに変わっていた。
以下略 AAS



79:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 20:03:18.65 ID:W5lmC8VA0
 一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍が、かの星であった。

 戦後、旅客機の登場により、誰もがみな空を旅することができる時代が到来して、幾年月が経ってからのこと。

 人の夢はついに空を越え、月にだって届いたのだ。
以下略 AAS



80:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 20:06:44.73 ID:W5lmC8VA0
 魔法使いからの提案で、私と千夜ちゃんはユニットを組む事になった。
 でも、本当はたぶん、千夜ちゃんの進言もあったんじゃないかって気はしている。
 もちろん、私の方こそ大喜び。

 おかげで毎日が、とっても楽しい。けれど――。
以下略 AAS



81:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 20:09:03.51 ID:W5lmC8VA0
『ゴメーン☆ フレちゃんどうしても忘れんぼう屋さんでー♪』
『本当の忘れんぼう屋さんって、毎度毎度そう律儀に一週遅れの質問回答しないと思うけどね。
 ま、もうすっかり恒例行事になってるおかげで、地味にこの番組の注目度も高まってるみたいやけど』
『かたじけない』
『微妙に間違ってないの腹立つ〜』
以下略 AAS



82:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 20:12:43.86 ID:W5lmC8VA0
『しかしまぁ、この「夢色ジラフ」さんの質問も大概っちゃ大概だけどねー。
 あれ? ジラフって、キリンだっけ? 日本語が得意なフレデリカさん』
『ンー、確かそうカモ?』
『先週までのトークの内容にしっかり触れてる当り、この人ひょっとしてヘビーリスナーさんかも知んないよ。
 いつもウチのフレがお世話になってます〜』
以下略 AAS



83:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 20:17:29.71 ID:W5lmC8VA0
『夢だっておんなじだよ、ってアタシは思います☆』

『……あー、なるほど。不覚にもちょっと納得させられたわ、あたし』
『でしょ?』
『レモンだけだとしんどいけど、あった方が栄養のバランス的にも良いみたいなことでしょ?』
以下略 AAS



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