78:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 19:59:12.29 ID:W5lmC8VA0
「ぷふっ。ククク……!」
藍子ちゃんの膝の上で、私の頭がヒクヒクと揺れる。
それに呼応するように、さっきまで大泣きしていた藍子ちゃんまでもが、今度は嬉し泣きに変わっていた。
「……大人って、ズルいね」
そう言いながら、私はどこか幸せな気分で胸が一杯になってしまい、再び目を閉じた。
振り返ってみれば、私は魔法使いさんに、してやられたのだろう。
いともたやすく、私は思い直してしまった。
それは、彼女達との出会い無しにはあり得なかった心変わり。
その出会いを予見できなかったはずの彼の狙いが、見事的中してしまったあたり、本当は――。
私にとっての世紀の発見は、世間一般にしてみれば、ごく当たり前の事だったのかも知れない。
誰もが幸せを願っているように。
見つかりにくいだけで、そこら中に小さな幸せがいっぱい落ちているように。
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