俺は愚かな男だった
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3:名無しNIPPER
2020/05/02(土) 19:39:15.23 ID:U/0i3R4vO
林田さんは綺麗な人だった。

立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花、という言葉を最初に聞いた時に、真っ先に彼女のことを思い浮かべてしまうほどには。

腰の辺りまで伸ばしたサラサラロングの黒髪、ぱっちりおめめに華奢な体つき。儚げな雰囲気も合わせて持てば、そりゃモテる。
以下略 AAS



4:名無しNIPPER
2020/05/02(土) 19:48:50.58 ID:U/0i3R4vO
林田さんは小説家志望だった。

文芸部の活動中に書いた作品は、文芸誌を作るのではなく新人賞などに投稿していた。西口さんが読み専だったし俺も素人だったから、作りたくても作れなかったというのが正しいのかもしれないが。

文芸部に一緒にいたのは半年くらいの期間だったが、掌編短編含めて数えきれない数の作品を彼女は書いていた。
以下略 AAS



5:名無しNIPPER[sage]
2020/05/03(日) 00:33:22.05 ID:Jr694xgDO
期待


6:名無しNIPPER
2020/05/03(日) 01:25:39.57 ID:Fl7pmNM80
林田さんは小悪魔だった。

一学期定期テスト前、西口さんは勉強のために部活を休んでいた。林田さんも西口さんも、学年でトップ10に入っているらしい。

西口さん曰く、「私は勉強しないとだけど、林田さんは本物の天才」とのこと。確かに、テスト期間になってもこうやって毎日部室に来て、それでもトップ10に入るのならよっぽどだろう。
以下略 AAS



7:名無しNIPPER
2020/05/03(日) 10:19:29.57 ID:L+SJ2wp0O
林田さんはいじめられていた。

美人でモテるから、同性の嫉妬をかっていたらしい。

「尾関くん、ペンかしてくれない?」
以下略 AAS



8:名無しNIPPER
2020/05/06(水) 21:06:12.65 ID:tjTNbqEAO
林田さんはめんどくさい人だった。

いつも通り部室で三人でいると、林田さんに問いかけられた。

「ね、尾関くんはにしちゃんと私のどっち派なの」
以下略 AAS



9:名無しNIPPER
2020/05/06(水) 21:06:57.65 ID:tjTNbqEAO
そう言って落ち込むふりをする林田さん

ですね


10:名無しNIPPER
2020/05/07(木) 17:26:18.00 ID:S8paJmtWO
林田さんは唐突に物事を提案する人だった。

一学期の終業式が終わり、文芸部も夏休み期間は休みになる。何が楽しくて、冷房もついてないくそ熱い教室に三人そろわないといけないのかという話だ。

じゃあまた二学期に。
以下略 AAS



11:名無しNIPPER
2020/05/07(木) 17:27:43.63 ID:S8paJmtWO
林田さんは寂しがりやな人だった。

夏休みに入ってから、メッセージアプリに通知のなかった日はない。そして内容も特にない。

夏祭りは何を食べよう、自宅で小説は書いているのか、にしちゃんは彼氏いないのかな。エトセトラエトセトラ。そんな連絡に律義に返してしまうのは、俺が後輩だからという以上に林田さんとやり取りをするのが楽しかったからだ。
以下略 AAS



12:名無しNIPPER
2020/05/07(木) 23:13:07.88 ID:cI+RkD3IO
林田さんと西口さんはナンパされやすい人だった。

二人とも美人で、浴衣を着て夏祭りなんて行けばそりゃそういうこと目当ての男もいるわけだ。

林田さんは大人しそうで誘っても断られなさそうだし、西口さんはちょっとギャルっぽくて乗ってくれそうな感じがするのだろう。二人にお使いという名前でパシられて、戻った時には男に声をかけられているということが今日だけで二度あった。
以下略 AAS



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