俺は愚かな男だった
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12:名無しNIPPER
2020/05/07(木) 23:13:07.88 ID:cI+RkD3IO
林田さんと西口さんはナンパされやすい人だった。

二人とも美人で、浴衣を着て夏祭りなんて行けばそりゃそういうこと目当ての男もいるわけだ。

林田さんは大人しそうで誘っても断られなさそうだし、西口さんはちょっとギャルっぽくて乗ってくれそうな感じがするのだろう。二人にお使いという名前でパシられて、戻った時には男に声をかけられているということが今日だけで二度あった。

チャラそうな帰省中の大学生に声をかけられているのを見て、面倒だし逃げようかなあどうしようかと思案している時だった。

「あ、来た来た。ごめんなさいねー、私たち、彼を奪い合ってるところだったんで」

「どう? 嫉妬してくれた? やっぱり私の方が好き?」

なんて。訳のわからない状況で呆けた顔をしていると、男たちは「男連れかよ」と舌打ちをして、ついでに唾を俺に向かって吐いて去っていった。ナンパ後にその態度はむしろ逆効果なのではなかろうか。

相変わらず呆けた顔でいると、「間抜け顔だねぇ」「これが私たちの後輩ですよ、林田さん」と二人の声が聞こえてきた。

「どういう状況なんすかこれ」

「ナンパがしつこかったから、私もにしちゃんも尾関くんに惚れてて、今日選んでもらうつもりだったっていう設定」

「何すかそれ」

「またまたぁ、美女二人に両腕掴まれて、緊張してるくせにぃ」

「してないっす」

嘘嘘、顔が真っ赤なのは自分でもわかってるけどね。


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