169:名無しNIPPER[saga]
2020/05/08(金) 00:29:31.85 ID:qTjhoOKq0
トンボはまたどこかへ飛んで行ってしまったようです。
二人から強引に背負わされた任務を終えた解放感と、訳も分からぬ羞恥心に挟まれ、
加蓮はすっかり息を荒げていました。
170:名無しNIPPER[saga]
2020/05/08(金) 00:37:38.28 ID:qTjhoOKq0
◇ ◇ ◆
「しおり配るぞー」
171:名無しNIPPER[saga]
2020/05/08(金) 00:41:56.20 ID:qTjhoOKq0
遠足と言えば、バス。
凛と奈緒の共通認識は有り得ないほど強固で、
電車でもいいよという加蓮の案は敢えなく却下されたのです。
172:名無しNIPPER[saga]
2020/05/08(金) 00:46:14.55 ID:qTjhoOKq0
路線バスですから、小刻みに停車を繰り返します。
その度にアナウンスされる名前に感心したりしていると、急に奈緒が声を潜めました。
「凛、加蓮」
173:名無しNIPPER[saga]
2020/05/08(金) 00:53:49.36 ID:qTjhoOKq0
◇ ◇ ◆
「あ、見た事ある」
174:名無しNIPPER[saga]
2020/05/08(金) 01:00:13.98 ID:qTjhoOKq0
「うおー。この果物籠の絵、すごいな」
「凄いね……さっきもぎって来たのを盛ったみたい」
175:名無しNIPPER[saga]
2020/05/08(金) 01:07:44.91 ID:qTjhoOKq0
「……」
「……」
176:名無しNIPPER[saga]
2020/05/08(金) 01:15:01.78 ID:qTjhoOKq0
「ここが目玉展示みたいだね」
凛が呟き、何人かのお客さんが集まっている一角を指し示します。
二人も凛の背中について行って、その作品の前で立ち止まりました。
177:名無しNIPPER[saga]
2020/05/08(金) 01:23:54.11 ID:qTjhoOKq0
「あ、これも知ってる」
「ロダン……あれ、ダンテさんだっけ?」
178:名無しNIPPER[saga]
2020/05/08(金) 01:32:26.07 ID:qTjhoOKq0
やがて、細く長い息と共に加蓮の肩が緩みました。
くるりと振り向いて、こちらを眺めていた二人に笑みを浮かべます。
「で、『考える人』だっけ? 行こいこ!
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