172:名無しNIPPER[saga]
2020/05/08(金) 00:46:14.55 ID:qTjhoOKq0
路線バスですから、小刻みに停車を繰り返します。
その度にアナウンスされる名前に感心したりしていると、急に奈緒が声を潜めました。
「凛、加蓮」
「ん?」
「ちょっと耳貸して」
言われるがまま、加蓮と凛は奈緒に耳を寄せます。
奈緒はきょろきょろと周りを確認してから、水筒のキャップを捻りました。
「へへ……水筒にジュース入れてきちゃった」
「っふ」
あまりの下らなさに凛が吹き出しました。
凛の反応に気を良くした奈緒がフタに注いだジュースを加蓮に勧めます。
オレンジの香りが鼻孔を抜けて、
なるほどこれが遠足の味かと、加蓮はひとり納得するのでした。
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