176:名無しNIPPER[saga]
2020/05/08(金) 01:15:01.78 ID:qTjhoOKq0
「ここが目玉展示みたいだね」
凛が呟き、何人かのお客さんが集まっている一角を指し示します。
二人も凛の背中について行って、その作品の前で立ち止まりました。
クロード・モネの代表作の一つ、『睡蓮』。
池に浮かびながら描き上げたかのような傑作です。
「お仲間さんだ」
「仲間?」
「蓮仲間でしょ」
「あー、なるほど」
奈緒が苦笑を零す隣で、加蓮は睡蓮をじっと見つめていました。
青い池へ静かに浮かぶ、筆致も鮮やかな葉と花。
晩年の彼が妄執とも呼べる程こだわった景色。
「綺麗だね」
「私に似てね」
「自信凄いな」
三人は肩を並べて、しばし名画の鑑賞に勤しみます。
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