【オリジナル】自殺したら僕だけを誉めない有名絵師の彼氏になった件
1- 20
34: ◆wqJOdKDc/.
2020/04/25(土) 09:35:57.99 ID:U1qw9Qt5O
本当に僕を陰ながら応援していたのなら。
僕を自殺させたことへ、少しでも罪の意識があるのなら。
口先だけでなく、行動で示してほしい。
それこそが、僕の願いなのだから。

以下略 AAS



35: ◆wqJOdKDc/.
2020/04/25(土) 09:38:12.91 ID:U1qw9Qt5O
時刻はもうすぐ夜の八時、そろそろアニメグッズの専門店が店じまいする時間だ。
今日はもうお別れにしようかという頃になって、TERIAさんはあるお願いをしてきたのだ。

「ねえ、凛」
「どうした?」
以下略 AAS



36: ◆wqJOdKDc/.
2020/04/25(土) 09:40:03.12 ID:U1qw9Qt5O


「先日は心配かけて、すいませんでした」

翌朝の九時半、勤め先である秋葉原のみかんブックスへ向かった僕が真っ先にしたこと。
以下略 AAS



37: ◆wqJOdKDc/.
2020/04/25(土) 09:41:51.11 ID:U1qw9Qt5O
「これで十三件目、ですか」
「うんにゃ、日曜から合わせて六十六件だ。『人殺しの本なんて読めない』ってな」
「そんなにですかっ!?」

イベント会場であれ、店舗委託であれ、同人誌が一冊売れるたび作者は言葉で言い表せないほど感激するもの。
以下略 AAS



38: ◆wqJOdKDc/.
2020/04/25(土) 09:43:41.85 ID:U1qw9Qt5O
一時半からの一時間、僕と先輩のA班の昼休みになった。
僕らはロッカールームへ移動して、ゆっくりお昼ごはんを頂いた。

「おっ、美味そうな玉子焼きにタコさんウインナーじゃないか」
「一つ頂きますか?」
以下略 AAS



39: ◆wqJOdKDc/.
2020/04/25(土) 09:46:05.83 ID:U1qw9Qt5O
「んっ、どうした?」
「いや、すっごい数のりかりほ小説がリツイートされているんですよ」

そう、もちろんTERIAさんによって。
しかもそれらの一つ一つへ、彼女は丁寧な感想リプライを送っているではないか。
以下略 AAS



40: ◆wqJOdKDc/.
2020/04/25(土) 09:48:46.48 ID:U1qw9Qt5O
「ええっ!?」

もう一発、大声を出してから「やってしまった」と後悔が襲ってきた。

「それってソイツの処女作だろ?」
以下略 AAS



41: ◆wqJOdKDc/.
2020/04/25(土) 09:51:48.32 ID:U1qw9Qt5O
「生きているうちに、感想貰いたかっただろうな。そのアシカ太郎って奴も」
「はい……きっと、そう思います」

先輩の気遣いに泣き出しそうになるも、どうにかぐっと涙を堪えた。
彼は見ず知らずの誰かの苦しみに、心を痛めることが出来る人なんだって。
以下略 AAS



42: ◆wqJOdKDc/.
2020/04/25(土) 09:54:05.68 ID:U1qw9Qt5O


午後の業務もどうにかこなして、晩の八時にみかんブックス秋葉原一号店は閉店。
シャッターを下ろしてから三十分ほどの店内掃除を終えて、私服へ着替えて、今日のお勤めはおしまいとなった。

以下略 AAS



43: ◆wqJOdKDc/.
2020/04/25(土) 09:56:22.06 ID:U1qw9Qt5O
『っていうか、なんでこんなに投稿されてるの? 今までずっと、三日か四日に一本読めたらいい方だったのに』
『さあな』

さすがに『みんなりかりほ書けば、お前が確実にいいね&リツイート&リプライしてくれるからだろ?』とまでは送れなかった。
いや、送れるものか。
以下略 AAS



44: ◆wqJOdKDc/.
2020/04/25(土) 09:58:46.64 ID:U1qw9Qt5O


生前の僕が、どれだけ必死に求めても得られなかったもの。
それがこうも容易く得られるだなんて……
「いや、嘘でしょ?悪い冗談でしょ?」などと休憩室で零してしまい、先輩から心配されてしまった。
以下略 AAS



71Res/92.94 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice