【オリジナル】自殺したら僕だけを誉めない有名絵師の彼氏になった件
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36: ◆wqJOdKDc/.
2020/04/25(土) 09:40:03.12 ID:U1qw9Qt5O


「先日は心配かけて、すいませんでした」

翌朝の九時半、勤め先である秋葉原のみかんブックスへ向かった僕が真っ先にしたこと。
それは職場の先輩方へ、入院して数日間休んだのを謝ることだった。

「そうだな。こっちも心配したんだぞ、何かプライベートでやなことがあったんだな……ってな」

三十代前半ほどの先輩は、そこまで怒鳴ったりはしなかった。

「とにかく、悪いって思ってんなら、その分きっちり取り返せよ。お前が頑張ってるって、みんなわかってるからな」
「はい、ありがとうございます。頑張ります!」

恵まれているんだなぁ、人望に。
だったら、僕は凛さんが築いてきた信頼を壊さないようにしなくちゃ。
そう決心して、午前の業務へ取り組んだ。

「返品ですか? 買った時のレシートは取っておいてありますか?」
「そんなの、いちいち取っておいてないわよ。嫌なのよ、虐めっ子が描いた本なんて持ってるの」

午前中、こんな風に先輩は何人ものお客さんからのクレーム対応に追われていた。
その女性客が返品を要請しているのは、あろうことかTERIAさんの本だった。

「いや、でしたらリサイクルショップの方でないと――」
「もういいです、二度とここでは買いません」

乱暴に吐き捨てて、女性客は踵を返して店を後にした。


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