【オリジナル】自殺したら僕だけを誉めない有名絵師の彼氏になった件
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◆wqJOdKDc/.
2020/04/25(土) 09:04:38.95 ID:U1qw9Qt5O
『なので、私は私の痛みと悲しみを理解して頂くため、八月二日に開催される「アイドルチャンス!!」のオンリーイベントにて、私を仲間として認めてくれない×××××さんの目の前で、自ら命を絶ちます』
「絶つつもりでいます」みたく曖昧に濁したりせず、きっぱり「絶ちます」と言い切る辺り、
これを書いていた時の僕の本気度が窺える。
そして、僕は本気でやり遂げてしまった訳だ。
以下略
AAS
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◆wqJOdKDc/.
2020/04/25(土) 09:07:01.56 ID:U1qw9Qt5O
『これはアレですね。その五万人ものフォロワーを有する彼女が、仲間内へ見せしめをしたんでしょうね』
『見せしめ、ですか?』
SNSと虐めの関連性について研究している専門家、そう名乗る妙齢の女性が述べた意見へ女性キャスターが尋ねる。
その意見については、かなり興味があった。
以下略
AAS
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◆wqJOdKDc/.
2020/04/25(土) 09:09:44.55 ID:U1qw9Qt5O
その晩、おかしな夢を見た。
地平線の彼方まで、ただただ真っ白なだけの世界。そこには客観的な僕と、俯いてめそめそ泣いているだけの僕と、怒りで我を忘れた僕の三人しかいなかった。
「酷いよ、不公平だよ……僕だってりかりほが大好きなのに、それを形にしようと頑張ってるのに……僕だけが、僕だけがっ」
「だからアイツを許さない。僕が受けた痛み、倍にして返してやる。自分がやってきたこと……いいや、やらないできたことを後悔させてやる!」
以下略
AAS
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◆wqJOdKDc/.
2020/04/25(土) 09:11:37.01 ID:U1qw9Qt5O
「あの人の解釈が絶対的になって、それ以外の解釈を持っている人達の肩身が狭くなって……段々と引退する人が増えていったってのに?」
「お気に入りとそれ以外とで、神とゴミレベルで扱いを変えるような奴へ感謝も敬意も必要ない。ましてや、推しカプ以外の悪口を平気で吐き出す輩などっ!」
そう、残念ながらTERIAさんは聖人君子ではない。
直接名前を挙げないながらも、遠回しに里歌ちゃんや梨穂ちゃんを含む他カプそのものや、他カプ押しを貶すような言動だってしてきたのだ。
以下略
AAS
25
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◆wqJOdKDc/.
2020/04/25(土) 09:13:58.65 ID:U1qw9Qt5O
◇
「はぁ、はぁ……嫌な、夢っ」
冷房機器をフル稼働させて、院内は適温に保たれているはずなのに。
以下略
AAS
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◆wqJOdKDc/.
2020/04/25(土) 09:16:19.11 ID:U1qw9Qt5O
◇
白いごはんにアジの開きと納豆、わかめとお豆腐の味噌汁にたくあん。
ごくごくオーソドックスな日本風の朝ごはんなのに、なぜだかとても美味しかった。
それほどまでに、僕は長きに渡り味わう楽しみを忘れていたのだ。
以下略
AAS
27
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◆wqJOdKDc/.
2020/04/25(土) 09:18:02.26 ID:U1qw9Qt5O
「うっ……TERIAさん、もとい永瀬悠さんか」
そう、今誰よりも会いたくない相手からだった。
でも『件名:今日、会えない?』のメールが届いたからには。
以下略
AAS
28
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◆wqJOdKDc/.
2020/04/25(土) 09:19:56.58 ID:U1qw9Qt5O
秋葉原のUDX前に着いたのは五時五十五分、約束の時間の五分前だった。
「あっ、来た来た」
「TERIAさん……いや、悠さんか」
以下略
AAS
29
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◆wqJOdKDc/.
2020/04/25(土) 09:21:53.12 ID:U1qw9Qt5O
「ねえ凛、この間はごめん」
「なんで謝る?」
TERIAさんと凛さんが何か喧嘩したのはわかっている。
わかっていないのは、その原因だ。
以下略
AAS
30
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◆wqJOdKDc/.
2020/04/25(土) 09:25:03.97 ID:U1qw9Qt5O
それから僕はTERIAさんと二人で、ブラブラ秋葉原を散策した。
アニメグッズのリサイクルショップを覗いてみたら、里歌ちゃんや梨穂ちゃんのぬいぐるみが山のように積まれていて。
コンテンツが終わコン化しつつある現実を、否応なしに感じずにはいられなかった。
「……安いな」
以下略
AAS
31
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◆wqJOdKDc/.
2020/04/25(土) 09:27:48.84 ID:U1qw9Qt5O
当てもなくしばらく歩き回った後で、僕達はベンチへ腰掛け小休止することにした。
時刻はもうすぐ七時、夜の帳が空を覆い始めていた。
「ほい、オレンジティー」
「ありがと」
以下略
AAS
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