【オリジナル】自殺したら僕だけを誉めない有名絵師の彼氏になった件
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31: ◆wqJOdKDc/.
2020/04/25(土) 09:27:48.84 ID:U1qw9Qt5O
当てもなくしばらく歩き回った後で、僕達はベンチへ腰掛け小休止することにした。
時刻はもうすぐ七時、夜の帳が空を覆い始めていた。

「ほい、オレンジティー」
「ありがと」

自販機で飲み物を買って一息入れたところで、TERIAさんがぽつぽつと語り始めた。
それは、僕が何よりも気になっていたことだった。

「知ってるかもだけど……知り合いが目の前で首を切ったの」
「オンリーイベントでだろ? 知ってる、ニュースで観た」

正確には、その前にスマホで調べたんだけどね。

「私、どうすれば良かったのかな……」
「どういうことだ?」

顔を俯け、沈んだトーンで尋ねるTERIAさん。
「僕」を自殺へ追い込んだ張本人なのに、気にしたりでもするものなのか?

「『私を仲間として認めてくれないから』って、遺書に書いてあったみたい。っていうか、イベント会場でも『僕だけ除け者にされた』って言われたし」
「まあ、みたいだな」

書いたり言ったりした本人ではあるものの、現在はもう別人。なので、第三者的な物言いをしてみせた。

「ニュースとかではさ『仲間内への見せしめ』だとか『生け贄にした』とか決めつけられてさ……そんなつもり、なかったのに……」

ブチッと、脳の血管が切れる音が聞こえた気がした


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