【オリジナル】自殺したら僕だけを誉めない有名絵師の彼氏になった件
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26: ◆wqJOdKDc/.
2020/04/25(土) 09:16:19.11 ID:U1qw9Qt5O


白いごはんにアジの開きと納豆、わかめとお豆腐の味噌汁にたくあん。
ごくごくオーソドックスな日本風の朝ごはんなのに、なぜだかとても美味しかった。
それほどまでに、僕は長きに渡り味わう楽しみを忘れていたのだ。

「隣のコンビニかゆうちょで、お金を下ろしてくればいいんですね?」
「はい、それでお願いします」

お医者様から治療費と入院費の支払い方法を教えられ、TシャツとGパンへ着替えて。
袋に入っていた通帳を持って、近くのゆうちょへ向かった。

東京の八月は、苫小牧と比べて信じられないほどカラッと暑かった。
口座には、大学時代からバイトをしていたのか、かなりまとまった額が入っていた。
必要な金額を引き下ろして、急いで病院まで戻ろうとしたら。
『りっほちゃ〜ん、りっほちゃ〜ん』とポケットに入れたスマホから、里歌ちゃんの脳トロボイスが鳴り響いた。

「着信音っ!? いったい誰から?」

立ち止まってスマホを取り出すと、画面には『メールを受信しました』の通知が。

「ふぅ。電話じゃなくて良かった」

もう少し凛さんの素性を調べておかなければ、知人の前でボロが出ないとも限らないし。
問題は、その差出人だった。
いつか来るのは想定していた。
想定していたが、まだ覚悟ができていなかった。


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