【オリジナル】自殺したら僕だけを誉めない有名絵師の彼氏になった件
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23: ◆wqJOdKDc/.
2020/04/25(土) 09:09:44.55 ID:U1qw9Qt5O
その晩、おかしな夢を見た。
地平線の彼方まで、ただただ真っ白なだけの世界。そこには客観的な僕と、俯いてめそめそ泣いているだけの僕と、怒りで我を忘れた僕の三人しかいなかった。

「酷いよ、不公平だよ……僕だってりかりほが大好きなのに、それを形にしようと頑張ってるのに……僕だけが、僕だけがっ」
「だからアイツを許さない。僕が受けた痛み、倍にして返してやる。自分がやってきたこと……いいや、やらないできたことを後悔させてやる!」
「仕方ないじゃないか……解釈違いだし、下手糞だし、そんなにイチャイチャしてないし、始めた時期だって遅かったし」

対等に扱って貰えなかった哀しみも、それに対する激しい憎悪も、至らなさを実感して劣等感に苛まれているのも、全部が僕に内在する感情なんだ。

「わかってるよ、そんなこと。でもさ、あの人だって僕が何に悩んでいたのかわかっていたんでしょ? だったらさ……お情けでもいいから、みんなと同じに扱ってほしかった」
「アイツはその報いを受けねばならない。他人の痛みを想像できぬ者へ、情けをかける必要がどこにあるっ!」

哀しみの僕も、怒りの僕も、我ながら頑固者だ。
長い時間を掛けて育った被害者意識と怨恨感情は、決して自分の主張を曲げるつもりはない。

「TERIAさんはただでさえ少ないりかりほ推しの中で、コンスタントにイラストを描き続けた方だ! 彼女がいなかったら、りかりほの二次創作は壊滅寸前だった」

素敵なイラストを多数描かれたことは、感謝している。
向上心に溢れ日々研鑽を忘れぬ姿勢へ、尊敬だってしている。
僕の作品だけを誉めてくれないことへの諸々のマイナス感情とは別に、一クリエイターへ向けるプラスの感情だってあるのだ。
でもそれ以上にマイナス感情の奔流が激しくなって。もはや、手のうちようがなかったのだ。


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