【オリジナル】自殺したら僕だけを誉めない有名絵師の彼氏になった件
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◆wqJOdKDc/.
2020/04/25(土) 09:19:56.58 ID:U1qw9Qt5O
秋葉原のUDX前に着いたのは五時五十五分、約束の時間の五分前だった。
「あっ、来た来た」
「TERIAさん……いや、悠さんか」
オンリーイベント以外の場で、彼女と会うのはもちろん初めてだ。
だが現在の僕は、底辺文字書きではなく彼氏さんだ。
「別人の魂が宿っている」なんて非科学的なことが起こっているだなんて、彼女は想像もしないであろう。
だとしても「何か普段と違う」と悟られないようにしなければ。
「ギリギリになって悪いな」
柄にもないなと内心自嘲しつつ、プレイボーイな物言いを意識する。
「ううん、平気」
「そっか。つーか、そんな格好で暑くないのか?」
TERIAさんは肌の露出が少なくて、ボディラインもはっきりしない黒のコートを纏っていた。どう見ても冬物ではないのか、それ。
「……暑いけど、大丈夫」
「……そうかい」
額には玉のような汗が滲んでいて、痩せ我慢しているのは明白だった。
加えて、目の下には黒い隈まで出来ていて、明らかに疲れた顔をしているではないか。
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