37:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/28(火) 11:06:35.83 ID:IH+YFkq+0
路地裏に入ってからだんだんとソウルジェムの反応が強くなっていっている。確実に魔力の反応の主までもうすぐだ。この魔力の反応の主が魔法少女であれ魔女であれ、近くに結界やら使い魔やらがいるはず。魔法少女であれば魔女を狩る為に魔法を使う、即ち近くに魔女がいるということ。魔力の反応の主が魔女でまあれば言わずもがな。
だがそれらは一向に姿を表さない。恐らくすぐそこの角を曲がれば魔力の反応の主はいるだろう。
万が一急襲に備え魔法少女へと変身しておく。
不審に思いつつも角を曲がった先にいたのは───
「!?、貴様どうやっゴハァッッ!!」
38:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/28(火) 14:03:41.67 ID:IH+YFkq+0
(どういうこと?魔法少女が一般人に手を出すなんて.....)
巴マミは混乱していた。目の前にいる恐らく魔法少女と思しき少女が足元に転がっている黒いローブを着た男を攻撃したのだろうが、その理由が分からない。
不審人物だったから、で済ませられる程魔法少女の力は軽いものではない。足元に転がっている黒いローブの男は怪しくはあるが魔女とは何の関係もないはず.....。いや、そもそも見滝原に外国人の魔法少女がいるとは聞いていない。そもそも魔法少女ではない可能性もある。とにかく真意を確かめなくては。
ただし一般人に手を出す人物なのだから警戒心を持ちつつ。
「ちょっと、そこのあなた」
39:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/29(水) 18:16:02.55 ID:n507zr8I0
人を馬鹿にするような態度を取る銀の少女の対して巴マミは胸の内がムカムカしていくのを感じた。他人を馬鹿にするような、見下しているような、そんな雰囲気のある少女だ。
だが出来うる限り穏便に済ませたいマミはなるべく感情を抑えて、それでいて警戒心を解かずに、
「だからそこの黒い人をなんで攻撃したのかしら?あまり争い事はしたくないのだけれど」
と銀の少女に問いかける。
ただ銀の少女にばかりかまけている場合でもないのだ。先ずは黒いローブの男の治療もしなければならない。黒いローブの男へと駆け寄り、安否を確認し羽飾りの留め具にあるソウルジェムを外し、魔力を使って黒いローブの男の治療を始めようとしていた。すると銀の少女から、
40:ちょっとゴリ押し[sage saga]
2020/02/01(土) 00:52:03.29 ID:hBF2B/l50
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41:名無しNIPPER[sage saga]
2020/02/01(土) 01:44:57.52 ID:hBF2B/l50
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42:名無しNIPPER[sage saga]
2020/02/01(土) 08:39:28.41 ID:hBF2B/l50
なんとかこの場を穏便に済ませることができたマミであった。一方の銀の少女はイタズラを企てるような含み笑いをしていた。
「それからこの場の後処理は私に任せたまえ。血の後処理なぞ君のような子供のすることではない」
さらっと銀の少女に小馬鹿にされた。そりゃ確かに血の後処理なんかは年頃の少女がすることではないが、それふ彼女とて同じこと。見た目で人を判断してはいけないが、むしろ彼女の方が年下であろう。この場に第三者がいた場合、恐らくマミの方が年上というだろうと確信できる程目の前の少女は幼かった。やはりこの銀の少女は他人を馬鹿にするのが好きなようだ。
ただ、この銀の少女の言い方ではこの場の後始末が出来るというようなことだったので、それが少し気になったので銀の少女に問おうとすると、
「それはどういう.....!?」
43:名無しNIPPER[sage saga]
2020/02/01(土) 09:34:13.14 ID:hBF2B/l50
「.....今更の質問だけれど、あなた魔法少女よね?」
と銀の少女へ問いかける。続けて、
「さっきの血を消す時、魔力らしい魔力を感知しなかった。だけどさっきみたいなこと、魔法でもない限り出来ないことよね?あなた一体.....?」
と問いかけた。銀の少女はそれに対して、
「私は『人間』だよ。何者でもない」
44:以下、名無しにかわりまして上イン好きがお送りします[sage saga]
2020/02/01(土) 11:59:52.48 ID:hBF2B/l50
結局銀の少女がどこへ行ったかは分からなかった。それに一応治療したとはいえ黒いローブの男を放っておく訳にもいかなかった。それから間もなくして、黒いローブの男の知り合いだと言う人に男を引き渡し、銀の少女を探してみたが、見つからなかった。仕方がないので家に帰ることにした。
なんとも不思議な出会いだった。
人を小馬鹿にするかと思ったら年相応の子供っぽい側面を見せる。しかし不可解な点も多く、なんともミステリアス少女だったとマミは銀の少女へ思いを馳せていた。
それに気になったのはそれだけではない。
「キュゥべえ、あの時なんで黙っていたの?あの娘に何か気になることでもあったの?」
45:以下、名無しにかわりまして上イン好きがお送りします[sage saga]
2020/02/01(土) 15:29:12.68 ID:hBF2B/l50
しかしキュゥべえが分からないのは本当に珍しく、マミはあの銀の少女について好奇心が湧いてきた。
マミはティーカップに紅茶を注ぎながら、
「キュゥべえ、聞くけどあの娘ってどこら辺が普通じゃなかったの?魔法少女になったらただの魔法少女にはならないってこと?」
一方のキュゥべえはマミのソファーの上でゴロゴロしながら、
「そうだね、彼女は普通の少女とは言えないかな。魔法少女の素質には因果律っていうのが関係しているんだけど、彼女の因果律は過去最高のものだったよ。それこそ史上最強の魔法少女になれる位にね。だけど不可解なことに彼女には因果律が収束しているだけじゃなかったんだ。僕にも分からない謎の力があってそれで魔法少女に出来るかどうか分からなかったんだ」
46:名無しNIPPER[sage saga]
2020/02/01(土) 17:18:50.61 ID:hBF2B/l50
一方の銀の少女こと糞薬中バイセクシャルド変態魔法少女アレイスたんは鳥を近くの山へ埋め、ネット喫茶へ戻ってきていた。その頃には既に辺りが静まり返り、本格的な夜へと変貌していた。
そして今日、街を散策した結果を頭の中で整理していた。
(この街は科学の街のくせして魔法少女など随分とメルヘンチックなものを抱え込んでいるな)
散策した結果を整理するといっても成果といえば夕方に出会ったあの魔法少女(?)と彼女の足下にいた謎の生命体についてだった。
(気付いていないとでも思ったのかね)
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