39:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/29(水) 18:16:02.55 ID:n507zr8I0
人を馬鹿にするような態度を取る銀の少女の対して巴マミは胸の内がムカムカしていくのを感じた。他人を馬鹿にするような、見下しているような、そんな雰囲気のある少女だ。
だが出来うる限り穏便に済ませたいマミはなるべく感情を抑えて、それでいて警戒心を解かずに、
「だからそこの黒い人をなんで攻撃したのかしら?あまり争い事はしたくないのだけれど」
と銀の少女に問いかける。
ただ銀の少女にばかりかまけている場合でもないのだ。先ずは黒いローブの男の治療もしなければならない。黒いローブの男へと駆け寄り、安否を確認し羽飾りの留め具にあるソウルジェムを外し、魔力を使って黒いローブの男の治療を始めようとしていた。すると銀の少女から、
「お嬢さん、心配しなくともそこの人は死んではいない。まあ骨折位しているだろうがね」
.....一体誰のせいだと問い詰めたくなる程舐め腐った態度にさすがのマミでも腹立たしい気持ちになった。
しかしよくよく辺りを見てみれば目を背けたくなる程酷い有り様だった。鳥を殺し、その血で描かれたであろう魔方陣。これもあの銀の少女がやったのだろうか?とにかく真意を確かめねば。
「確認するけどこれをやったのはあなたってことでいいのかしら?一般人に危害を加えて、鳥の命も奪って」
確認というよりは問い詰める感じになり少しキツイ言い方になってしまった。
一方の銀の少女はこちらの言っていることが何のことか分かっていないらしく、辺りをキョロキョロと見回してからようやっと意図を捉えたらしい。
「確かにそこのクソ野郎をぶっ飛ばしたのは私だ。少しばかり事情というものがあってね。だがそこの魔方陣らは私ではないよ。君の傍にいるヤツがやったことだ」
「...」
他人を馬鹿にするような飄々とした態度は崩さないもののどうも嘘をついているようには見えない。少しばかり悩むところではあるが、
「分かったわ。あなたの言うことは信じる。だけど今回は忠告で済ませるけど、どんな事情があっても人に危害を加えないでくれるかしら?お互い争い事はしたくないでしょう?」
「分かった肝に銘じよう」
なんとか穏便に済ませることができたマミであった。
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