高山紗代子「敗者復活のうた」
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251: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 16:40:18.70 ID:ZRhpxi3E0
Shah「あの人……あのプロデューサー、私を脅迫してたの」

紗代子「きょう……はく?」

Shah「アメリカは訴訟に対しては寛容よ。だけど、脅迫となるとそれは別。明らかに反社会的な行為として咎められるわ。コーエンは事を重く見て、CIAに相談したって言ってた。国を跨いでの犯行予告だったし」
以下略 AAS



252: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 16:41:11.02 ID:ZRhpxi3E0
 心配そうに紗代子を見ながら、それでも瑞希は聞く。

瑞希「当初は、ということは。その後が……あるのですか?」

Shah「ええ……しばらくすると、文章は妙に紳士的なものになったわ。でもそこから先は、一切がラングレーが証拠として管理をしだしたから、私はよく知らないの」
以下略 AAS



253: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 16:43:07.07 ID:ZRhpxi3E0
Shah「あの人は、今に見ていろ、俺の実力を証明してやる……なんの……なんの才能もないやつを、誰も見向きもしないような者を、俺だけの力でプロデュースしてトップアイドルにしてみせてやるからな……って……」

 紗代子の顔から、顔色と表情が抜け落ちた。
 涙すら出なかった。
 凍ったように世界が止まった。
以下略 AAS



254: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 16:44:33.82 ID:ZRhpxi3E0
Shah「慰めのつもりじゃないけど」

 ポツリとShahが口を開く。

Shah「私は、よーちゃんの実力も才能も信じてるよ。それから……あの人のことも」
以下略 AAS



255: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 16:45:25.45 ID:ZRhpxi3E0
Shah「あの人は、あの人なりに真剣だった。私に期待をしてくれていた。それに応える時間も機会もなく、私はアメリカに連れて行かれてしまったの……あの人は、私やコーエンを脅迫したかもしれないけど、あの人なりに傷ついた」

瑞希「……しばらく、人前には出られなくなってしまっていたそうです」

Shah「私は、自分のしでかした事を見ておきたくて、今日あそこへ行ったの」
以下略 AAS



256: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 16:46:58.96 ID:ZRhpxi3E0
 紗代子とShahは抱き合い、別れた。
 そして悲壮な表情で、紗代子は劇場に帰ってきた。

P「どこに行ってたんだ? これから……」

以下略 AAS



257: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 16:47:42.19 ID:ZRhpxi3E0
紗代子「あの子を脅迫したっていうのは、本当なんですか?」

P「ま、待て。それは……あの時、俺はどうかしていた……」

紗代子「あの子を見返すために……自分の力を認めさせるために、私の担当になったんですか?」
以下略 AAS



258: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 16:48:56.08 ID:ZRhpxi3E0
 紗代子を抱えるようにして乗り込んだ、帰りの電車内。彼女は一言も発しなかった。
 瑞希も言うべき言葉がなく、黙っていた。
 帰宅した紗代子を見て、さすがに母親は何が起こったのかはともかく、娘の精神状態は察し、黙って娘を自室に送る。

「わざわざ心配して送り届けてくれたんでしょ? ごめんなさいね」
以下略 AAS



259: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 16:49:53.18 ID:ZRhpxi3E0
瑞希「なぜですか……あの熱意と懸命さの塊のような高山さんが、あれほど落ち込んだ姿を、私は見たことがありません」

「ま、確かに久々ね。春頃に、765プロのオーディションを落ちて帰ってきた時以来かしら」

瑞希「あの時の……」
以下略 AAS



260: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 16:50:49.65 ID:ZRhpxi3E0
瑞希「おじゃましています、真壁瑞希です。私のことは気軽に、瑞希ちゃんと呼んでください」

「もしかして姉ちゃんが、友達だって言ってたのは……マジ?」

瑞希「はい……マジです、マジ。真実の本当です……まじまじ」
以下略 AAS



261: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 16:52:06.91 ID:ZRhpxi3E0
瑞希「それはつまり……高山さんは、毎晩走っておられるということですか?」

「ああ……いや、はい。最初は自転車使わずに一緒に走ってたんだけど、だんだん追いつけなくなって、ママチャリに乗るようになって、それでも追いつけなくなってちゃんとした自転車買って、そして今はあれを組んでるとこです」

瑞希「あれ……ほほう、緑色の綺麗な自転車ですね。び……びあん……き?」
以下略 AAS



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