110: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 13:15:09.91 ID:ZRhpxi3E0
瑞希「私は……高山さんをすごいと思っています」
紗代子「私を!? や、やだな、そんなお世辞なんて……」
瑞希「お世辞ではありません。失礼ながら、高山さんは候補生になった当初は、確かに様々な面で一緒に候補生となった私たちの中でも飛び抜けた才能を持っているようには見えませんでした」
111: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 13:15:51.76 ID:ZRhpxi3E0
瑞希「みんな、私と同じ思いだからです」
紗代子「瑞希ちゃん……」
瑞希「私たちはみんな、高山さんの必死な姿を、そしてあきらめないで最後にはなんでもできるようになっている姿を、すべて知っています」
112: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 13:16:40.38 ID:ZRhpxi3E0
社内オーディション前日、再び高木社長が劇場へとやって来る。
未来「それで、社内オーディションって、どうやってセンターを決めるんですか?」
113: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 13:17:36.68 ID:ZRhpxi3E0
高木社長「1分をどう使うかは、各人の自由だ。無論、なにをやるのかも自由」
杏奈「歌や……ダンスじゃなくても、いい……の?」
高木社長「なんでもいい。それをどう審査するのかも君たちなのだから」
114: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 13:18:05.14 ID:ZRhpxi3E0
高木社長とロコ以外のメンバーがざわつく。
高木社長「理由を聞いてもいいかね?」
ロコ「パフォーマンスのための衣装が仕上がらなかったんです。ロコアートは、衣装も大事なファクトリー……じゃなくて、ファクターだと思っています。だから今回はとりさげ……バードダウンします」
115: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 13:20:06.77 ID:ZRhpxi3E0
亜利沙「あの、レッスンの後でいいので、ちょっとだけありさとお話していただけませんか!?」
紗代子「え? うん」
116: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 13:20:36.55 ID:ZRhpxi3E0
紗代子「それで、亜利沙ちゃんの歌だっけ?」
亜利沙「それが、ありさ……ダンスも自信ないんですよ。容姿だって……ううっ」
可憐「私も、見た目が地味だし、そもそもアイドルに向いていないのかも……」
117: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 13:21:42.59 ID:ZRhpxi3E0
紗代子「自信なんてないし、弱い人間なんだ」
可憐「でも……だって、いつもあんなに堂々と、一生懸命レッスンをして……」
紗代子「自信がないから、一生懸命練習するんだ。いつか、思い描く自分になれるように」
118: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 13:23:17.41 ID:ZRhpxi3E0
紗代子「社内オーディションで緊張せずに、具体的には手や足が震えないような特訓はないものでしょうか? ……と、どうかな」
いつものように、プロデューサーに疑問をぶつけてみる。
相変わらず、返信はすぐだ。
119: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 13:24:02.12 ID:ZRhpxi3E0
亜利沙「紗代子さん! 言われた通り、ホウキを用意しましたけど、これをどうするんですか?」
可憐「机も……用意しましたけど」
120: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 13:26:13.98 ID:ZRhpxi3E0
亜利沙の掌の上で、ホウキはガクガクと震え、落ちそうになる。
紗代子「落としちゃダメだよ。あのね、コツは乗せてる掌じゃなくて、ホウキの先端を見ることなんだって!」
亜利沙「ホウキの先端……あ、ホントです。ホウキの揺れがなくなりました」
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