北条加蓮「藍子と」高森藍子「灰を被っていた女の子のお話」
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49:名無しNIPPER[sage saga]
2019/12/24(火) 17:53:23.09 ID:SmxjqBVS0
私が座っているのは、部屋の隅です。加蓮ちゃんの左斜め後ろで、子どもたちの顔を見ることができる場所。……ちなみに私は普段着ですよ?
ここにいてほしいって、加蓮ちゃんに頼まれちゃいました。
何か困ったことがあった時に、加蓮ちゃんを手伝う役です。この前の握手会の時とは逆ですね。

「いい子にしていたみんなに、クリスマスプレゼント! そして……加蓮ちゃんからの、ひみつのメッセージカードも持ってきたの♪」
以下略 AAS



50:名無しNIPPER[sage saga]
2019/12/24(火) 17:53:52.82 ID:SmxjqBVS0
「なかみはね〜、ナイショ! 開けてからのお楽しみだよ」

看護師さん曰く、加蓮ちゃんはこの病院で人気のアイドルらしいです。ときどき通院する子どもも、テレビで加蓮ちゃんが出ると、よく興味を示しているそうですね。
それから、これも看護師さんに聞いたお話ですが、定期的に病院に来る子のいる家族へは、今日のことをお伝えしているみたいです。
……といっても、このイベントが決定したのは、12月23日。
以下略 AAS



51:名無しNIPPER[sage saga]
2019/12/24(火) 17:55:53.24 ID:SmxjqBVS0
>>50 2行目〜の地の文を少し修正させてください。申し訳ございません。

誤:看護師さん曰く、加蓮ちゃんはこの病院で人気のアイドルらしいです。
正:看護師さん曰く、加蓮ちゃんはこの病院に来る方たちから人気のアイドルらしいです。

以下略 AAS



52:名無しNIPPER[sage saga]
2019/12/24(火) 17:56:22.74 ID:SmxjqBVS0
両膝を折って、目を合わせてあげて。加蓮ちゃんは、3つの袋を出してあげます。
ちいさい袋と、ちいさい袋と、ものすごく大きな袋。
えほんみたーい、と誰かが言います。すると保護者さんの方からかすかな苦笑が漏れました。
ちょうど数日前に読んであげて……なんて声が。ベストタイミング……なのかなっ?

以下略 AAS



53:名無しNIPPER[sage saga]
2019/12/24(火) 17:56:54.58 ID:SmxjqBVS0
「ほら、もう1回考えてみて? みんなと相談しても、オッケーだよっ」

女の子は1歩だけ引いて、周りの子たちと相談を始めます。どれにする? これでいいのかな? って。
今まであまり興味がなさそうだった男の子が1人、その輪に加わりました。女の子のお兄ちゃんみたいですね。
すると他の男の子も、1人、また1人とやってきます。
以下略 AAS



54:名無しNIPPER[sage saga]
2019/12/24(火) 17:57:24.76 ID:SmxjqBVS0
「じゃあね……これにする!」

子どもたちの作戦会議は終わり、女の子は目を揺らすことなく、びしっ、と真ん中の袋を選びました。

「オッケー! じゃあ、これはあなたへのプレゼント! 開けてみて?」
以下略 AAS



55:名無しNIPPER[sage saga]
2019/12/24(火) 17:58:53.98 ID:SmxjqBVS0
加蓮ちゃんは頷き、後ろに用意している袋へ手を伸ばそうとして――その直前に、でもっ、と女の子が言います。

「や、やっぱりくつがほしい! かんごしさん、くつをえらんではいてもいいよ、って、いってた……!」
「靴がほしいの? うん、分かった! じゃあ――」
「あっ、や、やっぱり、ほん! ほんがほしい!」
以下略 AAS



56:名無しNIPPER[sage saga]
2019/12/24(火) 17:59:24.31 ID:SmxjqBVS0
女の子は、何回か迷った後、うんっ、と大きく頷きました。それを見て、加蓮ちゃんも満足げに首を縦に振ります。
次の子はー、と加蓮ちゃんが選ぶ前に、わたしも! ぼくも! という声が響きます。短い手足をぱたぱたと、加蓮ちゃんの元へ大殺到。
わ、ちょ、待って! と焦り声。……そろそろ、私も手伝った方が良さそうっ。

「そんなに焦っちゃったら、サンタさん、困っちゃいますよ〜。ほら、みなさん、こっちに並びましょうっ」
以下略 AAS



57:名無しNIPPER[sage saga]
2019/12/24(火) 17:59:53.22 ID:SmxjqBVS0
プレゼントの手渡し会は、それからもとっても盛り上がりました。
途中、加蓮ちゃんが「やば、メッセージカード忘れて……!」と呟いて、私もすっかり忘れてしまっていたので、慌てて用意していたカードを渡していって。
楽しそうな声につられたのか、廊下から他の子たちも次々に集まってきたりして。やっぱり「かれんちゃんだ!」とか、「サンタさんだ!」って声も、いくつも聞こえてきて。
わいわいがやがや。なんだか、親戚のみなさんが家に集まった時みたいっ。

以下略 AAS



58:名無しNIPPER[sage saga]
2019/12/24(火) 18:00:53.70 ID:SmxjqBVS0
その中で……ふと、加蓮ちゃんが誰ともお喋りしていない時間が生まれました。

「あははっ」

廊下側の丸クッションに座る加蓮ちゃん。両手を体の左右に投げ出し、笑顔でいっぱいの子どもたちを楽しげに眺めます。
以下略 AAS



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