北条加蓮「藍子と」高森藍子「灰を被っていた女の子のお話」
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55:名無しNIPPER[sage saga]
2019/12/24(火) 17:58:53.98 ID:SmxjqBVS0
加蓮ちゃんは頷き、後ろに用意している袋へ手を伸ばそうとして――その直前に、でもっ、と女の子が言います。

「や、やっぱりくつがほしい! かんごしさん、くつをえらんではいてもいいよ、って、いってた……!」
「靴がほしいの? うん、分かった! じゃあ――」
「あっ、や、やっぱり、ほん! ほんがほしい!」
「ほ、本が欲しいの? ……オッケー!」
「ま、待ってっ。えーっと、えーっと……!」

――もしかして、この子ってあの“2人目の女の子”でしょうか?
前に写真で見たことはありますけれど……すごく雰囲気が変わっていて、気づきませんでした。前よりも雰囲気が明るくなってるっ。
加蓮ちゃん、困ったように眉を八の字にしているけれど、でもとっても嬉しそう。
……あっ、今、右目に少しだけ涙を浮かべました。すぐに拭ったので、周りのみんなは気付いていないみたいです。

「きめた! わたしは、くつがほしいですっ」
「ふふっ。オッケー。……ね、他に欲しいものは、お母さんとお父さんに言うといいよ」
「……いいの? でも、そしたらおかあさんもおとうさんも、こまっちゃう……」
「困らせちゃえ!」

何堂々と言ってるんですかっ。いつも誰かを困らせてばっかりの加蓮ちゃん!
……ふふ、なんてっ。
そうですよね。ほしいものを言える、わがままを言うことができる。それも、きっと大切なことですから。


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