北条加蓮「藍子と」高森藍子「灰を被っていた女の子のお話」
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52:名無しNIPPER[sage saga]
2019/12/24(火) 17:56:22.74 ID:SmxjqBVS0
両膝を折って、目を合わせてあげて。加蓮ちゃんは、3つの袋を出してあげます。
ちいさい袋と、ちいさい袋と、ものすごく大きな袋。
えほんみたーい、と誰かが言います。すると保護者さんの方からかすかな苦笑が漏れました。
ちょうど数日前に読んであげて……なんて声が。ベストタイミング……なのかなっ?

こういう時、童話ならちいさい袋を選ぶのが正解ですよね。でも、ちいさい袋だって2つもあります。
それに、自分が選ぶ立場になると、やっぱり"これが正解"って決めるのは難しいみたいで……。
みかんのイラストシャツの女の子は、えっ、どうしよう……と不安そうにうつむいちゃいました。
ちいさい袋に手を伸ばそうとして、だけど時々、反対側の手が大きな袋に向きそうになっちゃいます。

「じ、じゃあ……これにする!」

たっぷりと悩んだ女の子は、勇気を出して真ん中の小さな袋を指差しました。途端に、加蓮ちゃんの唇がにやりと歪みます。

「それでいいのー? 本当にそれでいいのー?」
「えっ……」

……何してるんですか加蓮ちゃん。抗議の目を送ってみましたが、こっちのことなんて一切見てくれませんでした。


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