41: ◆L6OaR8HKlk[sage saga]
2019/11/25(月) 22:01:23.69 ID:NBL3UyTw0
「……」
摺り足で砂利を擦りながら、ビーサンとツギハギだらけのジャージ姿の爺さんが現れる
肩には大袋を担ぎ上げているが、足取りに難儀の色は見えなかった
42: ◆L6OaR8HKlk[sage saga]
2019/11/25(月) 22:02:24.70 ID:NBL3UyTw0
秋月「ど、どなたですか?」
( T)「あずき洗い」
熊野「あずき……あら、これ」
43: ◆L6OaR8HKlk[sage saga]
2019/11/25(月) 22:03:44.45 ID:NBL3UyTw0
秋月「ごちそうさまでした!!」
熊野「お粗末様でした」
( T)「それお弁当作った俺のセリフ」スゴイシツレイ
44: ◆L6OaR8HKlk[sage saga]
2019/11/25(月) 22:05:08.79 ID:NBL3UyTw0
川辺から歩くこと二十分、ポツンと一本の柿の木がたわわな実をつけておっ立っている
皮の色合いから見ても食い頃だろう。ただし、一つだけ変化があった
熊野「オッサンの顔!!!!!!!!!!!」
45: ◆L6OaR8HKlk[sage saga]
2019/11/25(月) 22:06:56.05 ID:NBL3UyTw0
( T)「柿の妖怪ってのは他にもいてな。ある寺の小僧の元に男がやって来て、自分の糞をすり鉢で擦ったものを食えと迫るんだ」
秋月「っ、ゲホッ!!ゴホッ!!」
熊野「急にご自身の性癖の話をしないでくださる!?」
46: ◆L6OaR8HKlk[sage saga]
2019/11/25(月) 22:10:42.28 ID:NBL3UyTw0
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47: ◆L6OaR8HKlk[sage saga]
2019/11/25(月) 22:11:20.52 ID:NBL3UyTw0
熊野「歌声、かしら……?」
木々の合間を縫うように、聴き心地の良い女性の歌声が耳へ流れ込んでくる
俺を除く二人の足が、自然とその方へと向かっていった
48: ◆L6OaR8HKlk[sage saga]
2019/11/25(月) 22:12:49.87 ID:NBL3UyTw0
『人魚』という名の通り、奴らは水辺にいるものだ
それがこんな山と森にいるか?なんて疑問はご尤もだが、川や『泉』に生息していても可笑しくはない
熊野「RPGの回復ポイントのような場所ですわね……」
49: ◆L6OaR8HKlk[sage saga]
2019/11/25(月) 22:13:44.63 ID:NBL3UyTw0
「ふぅん……お披露目、しちゃうぅ?」
秋月「是非!!」
熊野「ええ!!」
50: ◆L6OaR8HKlk[sage saga]
2019/11/25(月) 22:14:41.89 ID:NBL3UyTw0
「普通の子……とは違うようだけど、他の人間を連れてくるなんて珍しいわねぇ……」
( T)「来てえっつったからな。ちょいと聞きてえんだが、ここらで食えそうな妖怪か何かが出てないか?」
「私、とかぁ?」
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