41: ◆L6OaR8HKlk[sage saga]
2019/11/25(月) 22:01:23.69 ID:NBL3UyTw0
「……」
摺り足で砂利を擦りながら、ビーサンとツギハギだらけのジャージ姿の爺さんが現れる
肩には大袋を担ぎ上げているが、足取りに難儀の色は見えなかった
( T)「よぅ爺さん。調子は?」
「ん……うん……」
皺だらけの唇をモゴモゴと動かすと、大袋を下ろして二人に目を向けた
( T)「ああ、ウチの連中だ。どうしても来てえって言ってたからな」
「さよけ……変わっとるの……」
( T)「草。熊野と秋月だ」
秋月「こ、こんにちわ……」
熊野「どうも……」
「ん……」
訝しげな挨拶に軽い会釈で返す
長居する気は無いらしく、物欲しげにバッグを指さした
( T)「わーってるって。はいよこれ」
「ん……ンッフフ」
持ってきた大吟醸の瓶を渡すと、喉の奥からくぐもった笑い声を上げた
大袋の代わりに瓶を担ぎ上げると、最後に
「気ぃつけえよ……今年のは余計にデカなっとるからな……」
( T)「マジ?まぁなんとかなるやろ。そんじゃ、また来年」
「ん……」
爺さんはもう一度会釈をすると、再び摺り足で川辺を歩いて行った
81Res/91.37 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20