白雪千夜「足りすぎている」
1- 20
32:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 22:05:14.57 ID:QXbKSZYO0
 何と言ったら良いのか――これも日本人的な感覚なのだろうか。
 いたずらに卑屈を構えたつもりは無いが、正確に言い表そうとすると、言葉に迷う。

「もてなす側として、満足のいくものをお出しできないことは、少々後ろ暗い思いがするものなのです」
「ニェット、チヨ」
以下略 AAS



33:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 22:07:36.11 ID:QXbKSZYO0
「……そういう事を言われたのは、初めてです」

 従者として仕える間、黒埼家の人達に感謝をされてこなかった訳ではない。
 ただ、彼女がありがたいと言った私の行動は、私にとっては当たり前に思っていたものだった。

以下略 AAS



34:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 22:08:21.97 ID:QXbKSZYO0
「よく分かりましたね。お前の分は、用意がありません」
「ちょ、ちょっと千夜ちゃん!?」

 新田さんと渋谷さんがなぜか狼狽える一方で、アナスタシアさんはクスクスと笑った。

以下略 AAS



35:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 22:09:37.87 ID:QXbKSZYO0
   * * *

「チヨ、お水です」

 休憩に入ると、いつもアナスタシアさんはクーラーボックスから給水を取り出し、私に手渡してくれる。
以下略 AAS



36:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 22:11:34.24 ID:QXbKSZYO0
 日本人離れ、とは言うまいが――彼女はそのボーイッシュな美貌もさることながら、パフォーマンスも質実なものだった。
 持って生まれた才能だけでなく、真面目にレッスンに取り組む中で着実に培われていったものだ。

 極めて素直であり、純粋で真面目な心根であることが、そばにいるとよく分かる。
 だが、彼女のアイドルに対するモチベーションは、どこから来るものなのか。
以下略 AAS



37:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 22:15:53.55 ID:QXbKSZYO0
 ――それもそうか。
 確かに、私達は同じプロジェクトの仲間。立場は対等、だな。


「では、アーニャ」
以下略 AAS



38:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 22:17:56.20 ID:QXbKSZYO0
「出来ないことは、頑張ればいつか、出来るようになります。
 出来るようになると、フヴァリーチ……褒めてもらえます。
 小さい頃、パパとママはよく褒めてくれました。
 パパとママ、離れていても、それを思い出せたら、寂しくないですね」

以下略 AAS



39:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 22:19:38.91 ID:QXbKSZYO0
「アーニャさん?」

 訳も分からず手を引かれ、大鏡の前に二人並んで立つ。
 こうして自分と比較すると、年齢の割に長身で均整な彼女のプロポーションが、より際だって見える。

以下略 AAS



40:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 22:22:52.41 ID:QXbKSZYO0
「それで? アーニャちゃんは千夜ちゃんに何を命令したの?」

 その日の夜、私の部屋にはお嬢様ともう一人、アーニャさんが来ていた。
 寮の食堂でお嬢様がアーニャさんを見つけ、この定期報告の場に彼女を招待したのだ。

以下略 AAS



41:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 22:24:20.40 ID:QXbKSZYO0
 お嬢様は首を振った。

「むしろシンデレラプロジェクトの皆には、千夜ちゃんのこと、どんどん誘ってあげてほしいの。
 色んなことをしてくれた方が、私も千夜ちゃんから色んなお話を聞けるからね」

以下略 AAS



42:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 22:26:20.53 ID:QXbKSZYO0
 しかし、予定された日のレッスンは午後の遅い部であり、終わる頃には夜だ。
 アーニャさんが言うには、それは夕食を食べた後に行うのだという。

 一体、彼女の趣味とは何だろうか?

以下略 AAS



301Res/285.11 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice