17:名無しNIPPER[saga]
2019/08/19(月) 23:28:56.61 ID:NFiIwucU0
彼はそれを受け取って口に含むと、結構な量を一度に飲み干した。酔っ払ってしまうのではと私が心配してしまうくらいには、勢いよく。
ぷはぁ、とまるで演技のようにわざとらしく息を漏らして、彼は缶をテーブルの上に置いた。
そのタイミングで、私は彼の前に跪く。
18:名無しNIPPER
2019/08/19(月) 23:36:31.79 ID:NFiIwucU0
「そうだよ。アイアム、ユアゲスト。私は、あなたの、お客さんです」
わざとふざけた素振りで彼は言った。
「それじゃなんで嫌がるの?」
19:名無しNIPPER[saga]
2019/08/19(月) 23:49:10.73 ID:NFiIwucU0
「したいわけじゃ……ないけど」
「じゃ、良いじゃん」
そして彼は再びビールの缶を手に取り、ぐっと煽って飲み進めた。どこか無理をしているように見えてしまうのは気のせいだろうか。
20:名無しNIPPER[saga]
2019/08/20(火) 00:05:09.04 ID:MEC1zLhn0
「なるほどタルト……どんなのが好きとかあるの?」
奉仕をしようとした時よりも嬉しそうに、彼は問いを重ねてきた。
タルトについてなら、いくらでも語ることができる。理想の生地感、甘さ、フルーツタルトなら何が良いか。
21:名無しNIPPER[saga]
2019/08/20(火) 00:14:50.50 ID:MEC1zLhn0
「本当にしないの?」
脱ぐ気配すらなく、ただ私の話を聞く彼に、心配になって問うてみた。
たぶん、してもしなくても彼がオーナーに支払うお金は変わらない。そしてそれは、間違いなく高価であるはずなのだ。
22:名無しNIPPER[saga]
2019/08/20(火) 00:15:50.85 ID:MEC1zLhn0
今日の更新はここまでです。
本格的に話を動かしていきます。
23:名無しNIPPER[sage]
2019/08/20(火) 13:10:03.71 ID:PkdnkLwlo
あつおつ
24:名無しNIPPER[saga]
2019/08/20(火) 19:41:06.38 ID:6vvZN4lBO
「珍しい人だね」
翌朝、起きて早々にユズさんの部屋を訪ねて報告をした。
「まどかを見て手を出さないなんて、不能なんじゃないの」
25:名無しNIPPER
2019/08/20(火) 19:42:15.07 ID:6vvZN4lBO
>>23
ありがとうございます。
コメント頂けるのが一番執筆意欲に繋がります……!
26:名無しNIPPER
2019/08/24(土) 00:57:23.01 ID:1gO4UVyBO
ユズさんに煽られはしても、一度来たお客さんにまた会えるとは限らない。
彼が来てくれたら良いな、とは思いつつも、少なくともそれは近い未来だとは思っていなかった。お金だってバカにならないだろうし。
だから、一週間後に彼が来たときは驚いた。
27:名無しNIPPER[saga]
2019/08/24(土) 12:41:03.55 ID:1gO4UVyBO
「あ、これ、まどかちゃんに持って来たんだ。一緒に食べようよ」
そう言って、幾分大きな紙袋を渡された。袋の中を覗いてみると、小さな紙箱がいくつか入っていたけれど、重さはあまりない。
「これって……」
28Res/24.44 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20