春を売る、そして恋を知る
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18:名無しNIPPER
2019/08/19(月) 23:36:31.79 ID:NFiIwucU0
「そうだよ。アイアム、ユアゲスト。私は、あなたの、お客さんです」

わざとふざけた素振りで彼は言った。

「それじゃなんで嫌がるの?」

ここがどこかを知らないはずがないのに。東京で、いや日本で最高の娼館と称されている中の、更に上層階に住む私。お金を払えば抱ける私をそうしたいと願っても、叶えられない人の方が多いともオーナーには教えられた。

なのに、私の目の前にいる男は、自ら私に会いに来て、なのに手を出そうとはしてこない。

「逆に聞くけど、セックスしたいの?」

名前も知らない彼にそれを問われて、私は答えに詰まってしまった。

決して行為は嫌いではない。気持ちいいこともあるし、私を大切に扱ってくれる。

だけども、特別それを今求めているか言われても、そういうわけではない。

お腹が空いていないのに、目の前にタルトを出されても食べられないのと同じだ。

仕事だから、自分に必要が無くても義務でしてしまうもの。

それが私にとって、この部屋での行為の全てだった。


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