【たぬき】高垣楓「迷子のクロと歌わないカナリヤのビート」
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147: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/07/14(日) 00:46:00.44 ID:TmI5fe2I0

 それからまた少し話し込んだ。
 持ち前の話しやすさもあってか、初対面なのにまったく緊張することがない。

「――あ、君って年下なの? あらやだ。職場の人が年下ってこと結構増えてきたわねー」
以下略 AAS



148: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/07/14(日) 00:56:59.38 ID:TmI5fe2I0

「自分だけの、居場所……」
「そ。人は誰だって自分が主人公だし、挑戦に年は関係ない。でしょ?」

 川島さんは、茶目っ気たっぷりにウインクをしてみせた。
以下略 AAS



149: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/07/14(日) 00:58:03.50 ID:TmI5fe2I0

「そうね。今は永遠に続くものじゃない。お肌と同じね。いつかは陰るし、シミやソバカスだってできちゃう」

「だったら……」

以下略 AAS



150: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/07/14(日) 00:58:40.66 ID:TmI5fe2I0

 強い人だ。
 346のアイドル部門に……第一芸能課に、この人がいるなら。
 俺の中で、何かひとつ大きなものが解れたような気がした。

以下略 AAS



151: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/07/14(日) 01:00:48.74 ID:TmI5fe2I0

  ◆◆◆◆


 結局、最終的には足で稼いだ。
以下略 AAS



152: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/07/14(日) 01:02:18.13 ID:TmI5fe2I0

   〇


 そこそこ遅い夜だった。
以下略 AAS



153: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/07/14(日) 01:03:53.23 ID:TmI5fe2I0

 ややあって虚空を見上げ、不意に切り出す。

「――どこか、『ここではない』という思いがいつもあるんです」

以下略 AAS



154: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/07/14(日) 01:04:28.85 ID:TmI5fe2I0

 義理は、無い。
 職務とは関係無い。
 益も期待しちゃいない。
 このままではよくないと説くに足る合理的理屈がひとつも無い。
以下略 AAS



155: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/07/14(日) 01:05:47.94 ID:TmI5fe2I0

「……なんですって?」

「ほらまた、悲しそうな顔。本当のところを聞かせてください。あなたは、自分が寂しいだけじゃないんですか?」

以下略 AAS



156: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/07/14(日) 01:08:21.07 ID:TmI5fe2I0

「素直に言ってください。そういうことでしたら、お答えするのは簡単なことです」

 高垣さんの指摘に、何故だか反論できなかった。
 自覚が無かった。俺は、「そう」なのか? ここまでがむしゃらだったのも、必死にこの人を追いかけたのも。
以下略 AAS



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