エミリーが忘れた日
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46: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 22:29:31.59 ID:9pdDfgPfo
 
彼女と知り合い、触れ合って、すっかり仲良くなったエミリーは瞬く間にその子の魅力にとり付かれた。
そしてその子が帰国する日になり、別れ際、エミリーは泣きじゃくりながらわずかに覚えた片言の日本語でお礼を述べると、その子はこう返したという。

「いつか立派な大和撫子になって、日本に来なさい」
以下略 AAS



47: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 22:32:07.88 ID:9pdDfgPfo
 
俺はふと、以前見かけた幼いエミリーの描いた絵のことを思い出した。
エミリーの父親が持ってきてくれた箱の中にあった、黒髪の女の子が一緒に描かれた絵だ。
巨大なダンボールへ近づき、黒い丸筒をまた取り出して、中身をもう一度見てみる。

以下略 AAS



48: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 22:33:35.11 ID:9pdDfgPfo
 
それにここ最近のエミリーに元気がないのがやはり少し気になる。
小さくお礼を言う彼女に、改めて質問してみた。

「あのさ、この絵を描いたときのこと、覚えてないんだよな?」
以下略 AAS



49: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 22:34:51.57 ID:9pdDfgPfo
 


エミリーは以前言っていたとおり、曲の振り付けは体できっちり覚えていた。
二週間程度のブランクがあったものの体調は万全と見え、今まで通りに他のメンバーと肩を並べ、一曲通してのダンスをやりきろうとしている。
以下略 AAS



50: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 22:36:01.79 ID:9pdDfgPfo
 
エミリーを気にかけていた他のメンバーを一旦外させ、俺と伊織の三人だけでリハをやってみる。

「エミリー、歌えるか? 歌詞、覚えてる?」
「…………ダイジョウブ……と、おもいます」
以下略 AAS



51: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 22:36:47.15 ID:9pdDfgPfo
 
だんだんと掠れ声になっていった歌声は一番のサビが終わるか終わらないかでついに聞こえなくなった。
「止めましょう」と伊織は言ったが、なんとか口だけでも動かしているのがかすかに見えたのと、
振り付けはまだ続いていたのでもう少し待つ。手足の動きも少しずつ弱々しく、小さくなっていく。

以下略 AAS



52: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 22:38:33.74 ID:9pdDfgPfo
 
「《分からないって……何が?》」

伊織が問いかける。

以下略 AAS



53: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 22:39:29.99 ID:9pdDfgPfo
 
「ちょっと……」

冗談言わないでよ、と伊織がエミリーの肩を揺さぶる。

以下略 AAS



54: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 22:40:25.21 ID:9pdDfgPfo
 


何故エミリーは日本へやってきたのか。
何故エミリーはアイドルになったのか。
以下略 AAS



55: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 22:42:14.74 ID:9pdDfgPfo
 
「十年ほど前、アメリカで実際にあった症例です」

二日後、エミリーを再び家で休ませることにしてから、俺と伊織で再び医者の先生を訪ねる。
彼女についての話──日本に強い憧れがあったこと、
以下略 AAS



56: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 22:43:26.53 ID:9pdDfgPfo
 
冷静に、頭の中で少しずつ、先生の話をエミリーに置き換えてみる。

「もう少し正確に言うと──彼女が発症以前に語っていた、音楽を始めたきっかけの記憶。
 音楽を通して感動した記憶。 音楽を続けていて良かったと思う記憶。 
以下略 AAS



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