104: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 23:42:40.99 ID:9pdDfgPfo
「──そうそう」
もう心配はなさそうね、と控え室に戻ろうとした伊織を引き止める。
105: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 23:44:35.10 ID:9pdDfgPfo
『休養中、私はたくさんの方々に支えて頂きました。 事務所で共に活動しているみなさん、仕掛け人さま、そしてごヒイキの皆さま、大勢です』
正座の姿勢を伊織に向けて、エミリーはじっと伊織を見つめた。
106: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 23:45:25.26 ID:9pdDfgPfo
ようやく衣装を元に戻し、エミリーは切り出した。
『──伊織さま。 よろしければ、私と二人組の曲を歌っていただきたいのですが……』
『デュエット……って……アレ? 劇場でやったことなんてないでしょ?』
107: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 23:46:24.04 ID:9pdDfgPfo
『ごヒイキ様方。 この曲は──大切なお友達となら日々の些細な風景も、わくわくと驚きの出来事に変えられる。
そういう幸せを、いつまでも大事に分け合いたい……そんな想いが詰まった歌です』
二人で目を見合わせ、
108: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 23:47:35.34 ID:9pdDfgPfo
──
────
109: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 23:48:14.29 ID:9pdDfgPfo
スーパーマーケットって意外とおっきい。うちのおやしきとおんなじくらい。
お店に入ってすぐ、おばさんが買い物カートをとって押し始める。
「《わたしがおす!》」
110: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 23:49:15.08 ID:9pdDfgPfo
「ふふっ。 だったら、お買い物頼んじゃおうかしら?」
おばさんが言った。
111: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 23:50:56.38 ID:9pdDfgPfo
「じゃあ、行くわよエミリー……レッツゴー!」
「Let's go!」
112: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 23:55:49.30 ID:9pdDfgPfo
*
パパのお仕事が終わったみたいで、あたしが日本に帰る日が来た。
エミリーのおじさんが空港まで送ってくれるらしいから、パパといっしょに車で連れて行ってもらうことになった。
113: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 23:56:42.98 ID:9pdDfgPfo
空港についても、エミリーはずっとだまったままだった。きのうまではあんなに元気だったのに。
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