エミリーが忘れた日
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113: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 23:56:42.98 ID:9pdDfgPfo
 
空港についても、エミリーはずっとだまったままだった。きのうまではあんなに元気だったのに。



ひこうきの時間までどれくらいあるか分からないけど、そろそろ中に入らなきゃってパパに言われて、本当にお別れの時間がやってきた。

「おじさん、お世話になりました。 おばさんにも伝えてください」
「もちろん。 またいつでも来てね」

おじさんにぺこりとごあいさつをした。

「……エミリー?」

エミリーは今日あたしの顔を見ようともせずに、ずっと下を向いてた。
いつもよりもっと小さくなってるエミリーの正面に立って、パパに教わった英語で、話しかけてみる。

「《楽しかったわよ、ありがとうね。 元気で》」
「《……ヨリチャン……行かないで……》」

エミリーはとたんに顔をクシャクシャにしかめて、ボロボロなみだを流しはじめた。
あーあもう、だめじゃない……
エミリーはそのまま止まらなくなって、わんわん泣き出しちゃった。


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