105: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 23:44:35.10 ID:9pdDfgPfo
『休養中、私はたくさんの方々に支えて頂きました。 事務所で共に活動しているみなさん、仕掛け人さま、そしてごヒイキの皆さま、大勢です』
正座の姿勢を伊織に向けて、エミリーはじっと伊織を見つめた。
『その中でも伊織さまにはとくにお力を頂いたと、皆さんから教えていただきました。 今ここに居られるのは間違いなく、伊織さまのおかげです』
『エミリー……』
『……本当に、ありがとうございます』
ステージに両手をつき、エミリーは深々と頭を下げる。
『…………』
伊織は少し困っていたものの、その次には──自分もゆっくりと、エミリーと同じようにブーツを脱ぎ、
エミリーを正面に膝をついて、同じようにエミリーに向かって礼をしてみせた。
「伊織……」
大和撫子が二人、同じステージにいるようだった。
また拍手が沸き起こり、伊織はすぐさま立ち上がっていそいそとブーツを履き直す。
『あんたも、もうよしなさい』
言われて、エミリーも立ち上がる。とても幸せそうな笑顔を浮かべていた。
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