534:名無しNIPPER[saga]
2020/02/24(月) 01:03:07.39 ID:7Hi8D/RJ0
しかし彼らの思惑とは裏腹に源氏はさぞかし嬉しそうな様子で決戦再開の幕を開けた。
源氏「ハッハー! コイツもノッてきたみてぇだし殺し合い再開といこうぜェ!!!」
紺之介「来いっ……!」
535:名無しNIPPER[saga]
2020/02/24(月) 01:04:10.24 ID:7Hi8D/RJ0
だがそれすらも最早容易なことではない。心臓を加速させる金時計の反動、ここまでの激闘、そして何より相変わらずの源氏の重撃。どれも紺之介の体力を着実に削る要因である。
しかしそのことを顔には出さず隙も見せず冷静に、ただ冷静に彼、その一瞬の刻を待つ。
源氏「オラオラオラァッ!」
536:名無しNIPPER[saga]
2020/02/24(月) 01:05:20.02 ID:7Hi8D/RJ0
金時計が幸いし辛うじて受け身を取る紺之介。だが愛刀を杖に立ち上がるその表情にはさすがに陰りが見えていた。
後方で見守る二人にも緊張の汗がつたう。
紺之介「あ゛ぐ……ハッ、ハァ、はァ……」
537:名無しNIPPER[saga]
2020/02/24(月) 01:05:59.38 ID:7Hi8D/RJ0
最早そこに論理などない。
紺之介(こいつら……互いに好き勝手やってるな……)
隙は確かに存在していた。
538:名無しNIPPER[saga]
2020/02/24(月) 01:07:09.74 ID:7Hi8D/RJ0
紺之介「はッ……バケモノめ」
彼の緊張と絶望は回り回って笑みへと変わる。
しかし剣豪紺之介、今回ばかりは背を向けることはありえぬとしてもう一度しっかりと姿勢を保ち剣を構える。
それは決して愛栗子という後ろ盾が備わっているからではない。
539:名無しNIPPER[saga]
2020/02/24(月) 01:09:09.14 ID:7Hi8D/RJ0
紺之介「うおおおお!!!!」
だが紺之介危うしもまた事実。
狂人同士みたび衝突するも紺之介とうとう刀をも叩き落とされ腕そのものを源氏にがっしりと掴まれてしまう。
540:名無しNIPPER[saga]
2020/02/24(月) 01:10:06.92 ID:7Hi8D/RJ0
源氏「なッ!? 待てゴラッ!」
瞬間紺之介の身体は釣られた魚のように不自然に前を向いたまま愛栗子と乱怒攻流の方へと引かれていく。
紺之介「できれば頼りたくはなかったが……まあ助かった」
541:名無しNIPPER[saga]
2020/02/24(月) 01:11:51.11 ID:7Hi8D/RJ0
刀を落とし腕を取られた絶体絶命の境地からの脱出は逆に確実に捕らえと見た源氏に大きな衝撃を与え、紺之介のあまりの食えなさに彼は軽く悪態をついた。
源氏「……チッ、結局そっちもかよ」
そうして次こそはとじりじり距離を詰める。
542:名無しNIPPER[saga]
2020/02/24(月) 01:13:22.17 ID:7Hi8D/RJ0
差し出された太刀を手に取る紺之介に乱怒攻流はさらに己の有能さを見出すかのように縦笛を左右に振って見せる。
乱怒攻流「なんならもうばれちゃってるしここから援護してあげてもいいけど?」
紺之介にそう言いつつも彼女の目は愛栗子の方へと泳いでいる。
543:名無しNIPPER[saga]
2020/02/24(月) 01:15:56.44 ID:7Hi8D/RJ0
愛栗子「ぬしの笛は紺の最期の命綱じゃ。そのためだけ≠ノ使うことに集中せい。わらわのために紺を守り、紺のためにわらわが動かねばならぬ状況を作るな。よいな」
彼女の命令口調に少しむっとした乱怒攻流であったがすぐにいつもの強気な表情を取り戻すと得意気に笛を構えた。
乱怒攻流「っ……まあいいわ。やってやろうじゃない」
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