男「この俺に全ての幼女刀を保護しろと」
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484:名無しNIPPER[saga]
2020/02/10(月) 18:40:58.06 ID:CaLDwjtG0
透水「それは将軍さまと一緒にいたときからそうに違いなかったのですが……暫く導路港にいてもっと大好きになった気がするんです。この気持ちはきっとこの身体にならないと分からなかった」

先の焦りの反動かその声はいつもにも増してか細く繊細につづられる。

透水「愛栗子ちゃんのお話を聞いてて思ったんです。だからもし、私にとってのそれが愛栗子ちゃんの紺之介さんへの想いなら……それはとっても素敵なことだなって……紺之介さんも愛栗子ちゃんのことが大好きなんじゃないんですか?」
以下略 AAS



485:名無しNIPPER[saga]
2020/02/10(月) 18:42:02.56 ID:CaLDwjtG0
紺之介「無論。やつほどの美刀、この手中に収めんと奮闘してここまで……」

そこまで口にして紺之介は目を見開く。
彼は己が何のために歩みを積み重ねてきたのかを思い出したのである。

以下略 AAS



486:名無しNIPPER[saga]
2020/02/10(月) 18:42:44.34 ID:CaLDwjtG0
紺之介「フッ」

紺之介は言葉を詰まらせたかと思うと唐突に短く鼻笑いをこぼした。

透水「ふぇ? どうしたんですか……?」
以下略 AAS



487:名無しNIPPER[saga]
2020/02/10(月) 18:43:54.77 ID:CaLDwjtG0

薄く浮かべられた彼の笑みに透水は満面の笑みで返した。

透水「よかったぁ……紺之介さん、導路港で初めて会ったときよりすごく怖い顔してたから……」

以下略 AAS



488:名無しNIPPER[saga]
2020/02/10(月) 18:45:01.63 ID:CaLDwjtG0

吃る透水、それを見つめる紺之介。
少しばかり膠着した両者だったがとうとう透水が紺之介の視線から逃げるようにして目をそらし、そうして露骨に声を上げると長湯から立ち上がった。

透水「ああきもちよかったぁ〜!」
以下略 AAS



489:名無しNIPPER[saga]
2020/02/10(月) 18:45:46.91 ID:CaLDwjtG0
汗にも似た水滴が透水の頬を伝う。
彼女が唾を飲み込んで一呼吸置いたとき、それまで『大した理由ではない』と決めつけていた紺之介もつられて漂う緊張感に当てられた。

紺之介(一体何をそんなに躊躇う必要がある)

以下略 AAS



490:名無しNIPPER[saga]
2020/02/10(月) 18:46:29.17 ID:CaLDwjtG0


紺之介「ふっ……! ふっ……!」

日に十里ばかり渡り歩き夜は鍛えるために真剣を振るう……当然今日も既に疲労を蓄積させた紺之介の身体であったが何故かその身は眠るにいたらなかった。
以下略 AAS



491:名無しNIPPER[saga]
2020/02/10(月) 18:47:10.43 ID:CaLDwjtG0

「精がでるのう」

そしてその動揺は突如形となりて夜深き闇に浮かびあがる。
声が耳に入るやいな腰の碧鞘を握り込んだ紺之介であったが、ひとまず喉にせり上がる『のうとう』の四文字を呑み込むとその動揺の根源を無理やり振り払うのをやめた。
以下略 AAS



492:名無しNIPPER[saga]
2020/02/10(月) 18:47:54.18 ID:CaLDwjtG0
愛栗子「じゃが、それではあやつらには勝てぬ」

だが聞く前に加えて彼の癇に触る愛栗子の言動。紺之介はそちらの方が気に食わず思わずそれについての返答をしてしまった。

紺之介「だからこうして少しでも鍛えている」
以下略 AAS



493:名無しNIPPER[saga]
2020/02/10(月) 18:49:10.65 ID:CaLDwjtG0
愛栗子「はあ、強情なやつよの。勝てぬと言っても全く勝機がないと言っておるのではない。ぬしにとっての勝利とはすなわち幼刀児子炉を手中に収めつつ源氏を制することじゃろう? それが不可能なのじゃ」

紺之介「……」

一言も発さずまるで刀を振るう絡繰のようであった彼の腕が止まる。
以下略 AAS



494:名無しNIPPER[saga]
2020/02/10(月) 18:50:08.54 ID:CaLDwjtG0
ここまでの出来事で彼らが児子炉の凶暴さを測れる尺は大きく二つ。
一に盾のような硬度を有すると謳われた俎板を破壊していること。
二に紺之介をも唸らせた刃踏の戦意を削ぐ包容力を有無を言わさず貫いた狂気。

どちらも人智を超えた幼刀の力を覆したとされる情報である。
以下略 AAS



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