男「この俺に全ての幼女刀を保護しろと」
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479:名無しNIPPER[saga]
2020/02/10(月) 18:33:07.36 ID:CaLDwjtG0
その透水の切望すら湯に流すように無視した紺之介。が、徐々に己の耳元に顔が近づいてくるのを感じてようやく目を開けた。

紺之介「なんだ」

透水「ふぇあっ……! ぅ、もしかして眠ってしまったのかと……」
以下略 AAS



480:名無しNIPPER[saga]
2020/02/10(月) 18:34:19.34 ID:CaLDwjtG0
透水「なんで、そんな寂しいこと言うんですか。刀を集めることにわくわくしたりとかしなかったんですか」

紺之介は俯いてしまった透水を細目で見つめつつ懐かしむように旅の記憶をなぞった。

紺之介「高揚感、か……最初はあったかもな。だがそうも言ってられなくなった。ただそれだけの話だ」
以下略 AAS



481:名無しNIPPER[saga]
2020/02/10(月) 18:37:49.32 ID:CaLDwjtG0

そして四半時足らずして湯から腰を浮かせる。その様子は自らに時間がないことを行動にして示しているようでもあった。
その場にいる者が対局たる長湯であったため尚更のことと早足が映える。

透水は焦り思わず言葉選ばずして彼を罵った。
以下略 AAS



482:名無しNIPPER[saga]
2020/02/10(月) 18:38:47.32 ID:CaLDwjtG0
紺之介「フン。少なくとも今ばかりはつまらぬ人間で上等だ」

当然紺之介も彼女の内を理解してはいたのだがあえて拗ねるようにしてそっぽを向いた。
そのままとうとう脚も湯を離れる。

以下略 AAS



483:名無しNIPPER[saga]
2020/02/10(月) 18:39:29.27 ID:CaLDwjtG0
透水「……私は海とお風呂が大好きです」

背中に張り付くように呟かれたその言葉に紺之介は歩みを止めた。

紺之介「知っている」
以下略 AAS



484:名無しNIPPER[saga]
2020/02/10(月) 18:40:58.06 ID:CaLDwjtG0
透水「それは将軍さまと一緒にいたときからそうに違いなかったのですが……暫く導路港にいてもっと大好きになった気がするんです。この気持ちはきっとこの身体にならないと分からなかった」

先の焦りの反動かその声はいつもにも増してか細く繊細につづられる。

透水「愛栗子ちゃんのお話を聞いてて思ったんです。だからもし、私にとってのそれが愛栗子ちゃんの紺之介さんへの想いなら……それはとっても素敵なことだなって……紺之介さんも愛栗子ちゃんのことが大好きなんじゃないんですか?」
以下略 AAS



485:名無しNIPPER[saga]
2020/02/10(月) 18:42:02.56 ID:CaLDwjtG0
紺之介「無論。やつほどの美刀、この手中に収めんと奮闘してここまで……」

そこまで口にして紺之介は目を見開く。
彼は己が何のために歩みを積み重ねてきたのかを思い出したのである。

以下略 AAS



486:名無しNIPPER[saga]
2020/02/10(月) 18:42:44.34 ID:CaLDwjtG0
紺之介「フッ」

紺之介は言葉を詰まらせたかと思うと唐突に短く鼻笑いをこぼした。

透水「ふぇ? どうしたんですか……?」
以下略 AAS



487:名無しNIPPER[saga]
2020/02/10(月) 18:43:54.77 ID:CaLDwjtG0

薄く浮かべられた彼の笑みに透水は満面の笑みで返した。

透水「よかったぁ……紺之介さん、導路港で初めて会ったときよりすごく怖い顔してたから……」

以下略 AAS



488:名無しNIPPER[saga]
2020/02/10(月) 18:45:01.63 ID:CaLDwjtG0

吃る透水、それを見つめる紺之介。
少しばかり膠着した両者だったがとうとう透水が紺之介の視線から逃げるようにして目をそらし、そうして露骨に声を上げると長湯から立ち上がった。

透水「ああきもちよかったぁ〜!」
以下略 AAS



489:名無しNIPPER[saga]
2020/02/10(月) 18:45:46.91 ID:CaLDwjtG0
汗にも似た水滴が透水の頬を伝う。
彼女が唾を飲み込んで一呼吸置いたとき、それまで『大した理由ではない』と決めつけていた紺之介もつられて漂う緊張感に当てられた。

紺之介(一体何をそんなに躊躇う必要がある)

以下略 AAS



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