481:名無しNIPPER[saga]
2020/02/10(月) 18:37:49.32 ID:CaLDwjtG0
そして四半時足らずして湯から腰を浮かせる。その様子は自らに時間がないことを行動にして示しているようでもあった。
その場にいる者が対局たる長湯であったため尚更のことと早足が映える。
透水は焦り思わず言葉選ばずして彼を罵った。
透水「そんなっ……! あのとき私に生きる意味を、希望を与えてくださった紺之介さんがそんなつまらない人だなんて私は思いたくありませんっ! ……ぁ」
勿論本心であるはずもなく、彼女自身の柄にも合うはずもなく、言い放った後に彼女はハッとした表情で口を抑え込んだ。
透水「ぅ……すみま、せん」
もはや反射である。
口を覆った彼女の手指の隙間から漏れ出すようにして言葉が寂しく浴場を漂った。
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