8: ◆LXjZXGUZxjdx[sage saga]
2019/03/02(土) 00:57:15.22 ID:nSoKXtCU0
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校舎の影
9: ◆LXjZXGUZxjdx[sage saga]
2019/03/02(土) 00:58:26.98 ID:nSoKXtCU0
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放課後 生徒会室
10: ◆LXjZXGUZxjdx[sage saga]
2019/03/02(土) 01:00:02.67 ID:nSoKXtCU0
〜〜♪
11: ◆LXjZXGUZxjdx[sage saga]
2019/03/02(土) 01:00:59.17 ID:nSoKXtCU0
ダイヤ「どうして?」
善子「あそこに見たこともない変な虫がいて面白いから視線を外せないの」
12: ◆LXjZXGUZxjdx[sage saga]
2019/03/02(土) 01:02:45.76 ID:nSoKXtCU0
ダイヤ「善子さんは何もないなんてことはありませんわ」
善子「はっ! なによそれっ! 具体的に言ってみなさい! どうせ私以外の人だって持っているものに決まってる!」
13: ◆LXjZXGUZxjdx[sage saga]
2019/03/02(土) 01:06:46.84 ID:nSoKXtCU0
果南「ふーん。そういうことねー」
ダイヤ「なっ?! か、果南さん?! と、皆さん?! いつからそこに・・・」
14: ◆LXjZXGUZxjdx[sage saga]
2019/03/02(土) 01:08:23.76 ID:nSoKXtCU0
花丸「始めます」
ダイヤ「お願いしますわ」
15: ◆LXjZXGUZxjdx[sage saga]
2019/03/02(土) 01:09:13.25 ID:nSoKXtCU0
花丸「そうですか。では続けます」
花丸「行ってきますのちゅー。新婚夫婦でよくあるといわれる愛情表現。でもダイヤさんと私は一度もしたことがありません。まだ結婚もしていなくて、付き合っているのかさえ微妙な関係であるというのもありますが、そもそもそういう甘々とした雰囲気にならないからです」
16: ◆LXjZXGUZxjdx[sage saga]
2019/03/02(土) 01:10:21.79 ID:nSoKXtCU0
花丸「そうですか。では続けます」
花丸「ダイヤさんは、以前はこの家でずっと一人暮らしをしていました。朝はいつも疲れが抜けていない体を無理に起こします。料理をする暇などなく、かといって何も食べずに家を出ると仕事中に力が入らなくなります。だから、前日の夜に買ってきて調理台に置いておいた豆腐とかみかんとかだけを手早く食べ、そして慌てて着替えてぎりぎりの時間に家を出ます。日中一生懸命働いて、疲れて、夜遅くに帰ってきて、寝る時間を少しでも確保するために、お風呂には入らずシャワーだけを浴びて、夕食は食べずに寝る。たまの休日は疲れ果てて眠ってばかりいて、ろくに部屋の掃除をすることもできていませんでした。それが一人暮らしをしていた頃のダイヤさんです」
17: ◆LXjZXGUZxjdx[sage saga]
2019/03/02(土) 01:11:27.96 ID:nSoKXtCU0
花丸「そうですか。では続けます」
花丸「ダイヤさんは職場に出勤する前に必ず行うことがあります。それは職場の近くの神社に立ち寄ることです。ヒノキの大きな鳥居の前に立ち、一礼します。その一礼の間に心を穏やかにします。そして榊で隔てられた先の神域へと足を踏み入れます。参道の真ん中を通らないよう歩きます。玉砂利がじゃりじゃりと擦れる音を聞きます。お手水で手と体を清め、本殿へと向かいます。汚れた心を洗い流すように、朝の冷えた空気を吸い込み、そして背筋を伸ばして神域に満ちている気を全身と魂で感じます。松林越しの朝日に照らされ金色に輝くヒノキの本殿。その前に立ちます。おさい銭箱にお金を入れます。ヒノキの芳香を深く吸い込みながら深く拝みます。拝みながら心の中で氏神様に謹んで申し上げます。今日も無事にここへ足を運べたことに対する感謝、いつも飢えることなく食事ができていることに対する感謝、職場の同僚の安全、商売の安泰、等々。そして、なにより長く深く心を込めて願うことがあります」
18: ◆LXjZXGUZxjdx[sage saga]
2019/03/02(土) 01:12:19.50 ID:nSoKXtCU0
花丸「そうですか。では続けます」
花丸「ダイヤさんが家を出たら、私はまず洗濯をします。この家は日当たりが悪いので、お日様が差すわずかな時間を狙って洗濯物を干すようにします。乾いたら取り込み畳みます。その洗濯物の中には当然ダイヤさんの服や下着も含まれます。一緒に生活をするようになった当初は、それらに下心を持ってしまいそうになったこともありましたが、さすがにもう慣れたので、やましい気持ちなど全く湧きません。何も思いません。自分の下着を触るのとなんら変わりません。だからすることと言えば、畳む前にちょっとだけ大事に両手で持って、ちょっとだけ顔に近づけて、なんとなく深呼吸をする、程度のことしかしません。洗濯をした後なのであの人の匂いなどしません。お日様の匂いしかしません。でも、これは紛れもなく昨日一日真面目に働くあの人を包んでいた下着です。一生懸命働くあの人の汗を吸ったであろう下着です。また明日もこの下着はあの人を包むのでしょう。あの人を危険から守ってくれるよう、下着の神様にお願いをします。下着を通して、あの人の健勝を願います。今頃脇目も振らずに働いているであろうあの人のに想いを馳せます」
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