ダイヤ「お、お嫁さん・・・?」
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15: ◆LXjZXGUZxjdx[sage saga]
2019/03/02(土) 01:09:13.25 ID:nSoKXtCU0

花丸「そうですか。では続けます」

花丸「行ってきますのちゅー。新婚夫婦でよくあるといわれる愛情表現。でもダイヤさんと私は一度もしたことがありません。まだ結婚もしていなくて、付き合っているのかさえ微妙な関係であるというのもありますが、そもそもそういう甘々とした雰囲気にならないからです」

花丸「朝食を終えた後。ダイヤさんは仕事着に着替えます。昨晩のうちに私がアイロンをかけておいた仕事着を持ってきて、ダイヤさんに羽織らせます。ダイヤさんはボタンをとめ、私はダイヤさんの前に立ってネクタイを結びます。普段からダイヤさんはあまりしゃべりませんが、この着替えの時は、私達は全くの沈黙になります」

花丸「なぜなら、仕事着に着替えるとダイヤさんは雰囲気が変わるからです。目つきが鋭くなり、体が大きくなったように見え、少し怖いとさえ思えるような雰囲気があります。真面目なダイヤさんのことです。このダイヤさんが職場でのダイヤさんであると、私は容易に想像できます。私は思います。ダイヤさんはこうなったらもう、仕事のしか考えていないのだと。私の入る余地などない。だって目の前にいるのに一瞬でも目を合わせてくれないのだから。『少しくらいは私の事を見てくれてもいいのに・・・』なんて、そんな淡い想いを胸に抱きますが、欲張らずに理性的に物事を考えます。今の私にできる最善は彼女の邪魔をしないこと。それをただ実践するだけ。せめてもの私の愛情表現として、勇気を出してこう言います。玄関で靴を履き終えた少し怖いダイヤさんの背中に向かって、『いってらっしゃい』。毎日これを言っていますが、今までダイヤさんから言葉が返ってきたことは一度もありません。返ってくるのは、いつも『ん』とか、『ああ』とかだけ。それは背中越しに発せられる、そよ風の音にでさえかき消されてしまいそうな程に小さく短い声。だけれど、私はその声をしっかりと心で受け止めます。そうすることでささやかな幸福を感じ、私は胸が温まります」

ダイヤ「ふむ・・・」


花丸「ドキッとしたずら?」

ダイヤ「んん・・・。まあ・・・」





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