【モバマス】水曜日の午後には、温かいお茶を淹れて
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1: ◆Z5wk4/jklI[sage saga]
2018/12/04(火) 21:37:37.32 ID:fK6iqZ7MO
小説を書きます。
相葉夕美、小日向美穂、佐藤心、八神マキノ、大沼くるみのお話です。
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2: ◆Z5wk4/jklI[sage saga]
2018/12/04(火) 21:40:49.14 ID:gOTfw+RA0
1.Syringa vulgaris
「あんたみたいな人、芸能界に居るべきじゃないと思う」
オーディションが終わった直後の控室の中、低くて冷たい声で、その人が言った。
3: ◆Z5wk4/jklI[sage saga]
2018/12/04(火) 21:42:53.19 ID:gOTfw+RA0
「うん、今日もみんな、元気みたいだね!」
私が所属している芸能事務所、美城プロダクションの駐車場、花壇に並ぶアマリリスやナデシコ、ほかにもたくさんお花さんたちは、春の陽気の中で嬉しそうにお日様を見てる。
プロダクションに来るときはいつも、花壇のある駐車場を通ってから中に入ることにしてる。花壇はとても丁寧な人が手入れをしているみたいで、どの花もとっても幸せそう。いつも元気を分けて貰ってるんだ。
4: ◆Z5wk4/jklI[sage saga]
2018/12/04(火) 21:44:36.09 ID:gOTfw+RA0
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「ちっひろさぁーん! はぁとの新しいプロデューサー、どうなってんすかー?」
翌々日、約束の時間にプロダクションの打ち合わせ場所を訪れ、ドアを開けようとした私は、部屋の中から聴こえてくる芝居がかった黄色い声に、一瞬固まった。
5: ◆Z5wk4/jklI[sage saga]
2018/12/04(火) 21:46:33.00 ID:gOTfw+RA0
思い出した。この人は。
「あの、駐車場の――」
声に出して、私はそこで言葉に詰まる。
6: ◆Z5wk4/jklI[sage saga]
2018/12/04(火) 21:47:50.12 ID:gOTfw+RA0
「えっと、はぁとさん、よかったらどうぞ」
私はうなだれるはぁとさんに、背もたれのあるパイプ椅子に座るよう促した。
「夕美ちゃん、ありがと……沁みるぞ☆」
7: ◆Z5wk4/jklI[sage saga]
2018/12/04(火) 21:49:12.74 ID:gOTfw+RA0
「おーい☆」
はぁとさんがびしーっ、と右手の甲をプロデューサーさんに向ける。ツッコミかな?
「プロデューサーに言ってもしゃーねーかもしんないけど、それ、あたしたちがやる仕事じゃなくね?」
8: ◆Z5wk4/jklI[sage saga]
2018/12/04(火) 21:49:52.55 ID:gOTfw+RA0
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それから日が落ちるくらいまでかけて、私たちはプロデューサーさんのお部屋の模様替えを終えた。汚れが気になっちゃって床の雑巾がけもしちゃったから、ずいぶん時間がかかっちゃったけれど。
「うん、これで完成っ!」
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