彼女は窓フェチの変態だった
1- 20
85: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/16(金) 22:34:01.85 ID:6W5BK61q0

 目を覚まして視界に入ったのは、見慣れた天井だ。
 アパートと呼んでも違和感のない、ボロいマンションの木造の天井。

 今日は日曜日だ。俺は、彼女とデートをした場所をふらふらすることにした。
以下略 AAS



86: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/16(金) 22:34:35.65 ID:6W5BK61q0

 まだ大学生の頃のことだ。

『アメジストドームって、外側はメノウっぽい見た目してるよな』
『実際メノウだよ』
以下略 AAS



87: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/16(金) 22:35:05.55 ID:6W5BK61q0

『ケイ素♪ ケイ素♪ 二酸化ケイ素♪』

 彼女はケイ素を多く含む物質が大好きで、鉱物やガラス製品等を収集していた。
 好きなものを見て笑う彼女の表情を眺める度、俺は幸福感を覚えたものだった。
以下略 AAS



88: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/16(金) 22:35:55.08 ID:6W5BK61q0

『このガラス、ヒスイを練り込んであるんだって!』

 彼女はこの緑色のガラスで作られた皿やら花瓶やらを見て、思いっきりテンションを上げていた。

以下略 AAS



89: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/16(金) 22:36:31.48 ID:6W5BK61q0

 彼女だけで旅行に行かせるのは心配だったから、俺も遥か北陸の地についていった。

 ガラスの研究をしている施設だとか、大学の研究室だとかに彼女は顔を出した。
 学んだ知識を窓ガラスに活かすのだと、楽しそうに話していた。
以下略 AAS



90: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/16(金) 22:41:40.51 ID:6W5BK61q0

「今日、彼女さんは一緒じゃないんですか? 珍しいですね」

 ガラス細工屋の店員が俺に声をかけた。

以下略 AAS



91: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/16(金) 22:42:58.48 ID:6W5BK61q0

 「あれ、これ……」

 とても綺麗な指輪が台に置かれている。
 ガラス細工の装飾が細やかに散りばめられていて、目を見張った。
以下略 AAS



92: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/16(金) 22:43:41.20 ID:6W5BK61q0

「これ、ください」

 レジへ持っていくと、タグに書かれた値段よりもだいぶ安い額を請求された。
 普段、この店はセールでもしない限りは値下げをすることはない。
以下略 AAS



93: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/16(金) 22:44:48.77 ID:6W5BK61q0

 その後もフラフラして、スーパーで安い弁当を買って帰宅した。

 「ただいま」と言ったところで、「おかえり」と言ってくれる人はいない。

以下略 AAS



94: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/16(金) 22:45:20.67 ID:6W5BK61q0

「少々事情があってね、物質世界に逃げてきたんだよ」
「事情って」
「普段、僕等は厳密なきまりを守って人間と契約している。だから罰せられることなんて滅多にないのだけれどね」

以下略 AAS



174Res/112.00 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice