彼女は窓フェチの変態だった
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86: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/16(金) 22:34:35.65 ID:6W5BK61q0

 まだ大学生の頃のことだ。

『アメジストドームって、外側はメノウっぽい見た目してるよな』
『実際メノウだよ』

 組成がどうの、光沢の種類がどうの、屈折率や比重がうんたらかんたらと、理系らしい会話をした。

『紫と黄色って補色同士でしょ? でも、紫水晶とカルサイトのどちらも鉄イオンによって呈色してるの。ロマンを感じるわよね』

 3価の鉄イオンであれば黄色になり、4価なら紫色になる。
 ロマンを感じるかどうかはともかく、色が変わるというのは面白い。

 価数が1つ変わるだけで、吸収する光の波長が大きく変化し、正反対に近い色を呈すのだ。

『いつか一緒に家を建てて、アメジストドームを飾りたいな!』
『いいんじゃないの。なんなら今の内に買っておけば?』
『値段見てみなよ』
『あっ……。こりゃ、その内収入が増えたらだな』

 幸せな未来が訪れることを疑わず、俺達はしばしば将来について語り合った。


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