彼女は窓フェチの変態だった
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91: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/16(金) 22:42:58.48 ID:6W5BK61q0

 「あれ、これ……」

 とても綺麗な指輪が台に置かれている。
 ガラス細工の装飾が細やかに散りばめられていて、目を見張った。
 しかし、主役はガラスではない。
 トリカラーのトルマリンだ。紫みがかったピンク、シアン、深い青緑が美しいグラデーションを呈している。

「ああ、それ、新しく入荷したんですよ。彼女さんが好きそうですよね」

 ケイ酸塩鉱物も彼女の守備範囲だ。
 指輪の傍には、商品の説明と、トルマリンの豆知識が書かれている。

――トルマリンは、生命力を高め、心身を健康に導く力があります。

 俺も彼女も非科学的なことはあまり好きではないのだが、俺はこんなものにさえすがりたいと思ってしまった。余程弱っているらしい。

 まあ最近は、悪魔と契約するという極めてファンタジーなことをしたりもしているから、以前よりは非科学的なものへの抵抗感が薄れているのかもしれない。



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