89: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/16(金) 22:36:31.48 ID:6W5BK61q0
彼女だけで旅行に行かせるのは心配だったから、俺も遥か北陸の地についていった。
ガラスの研究をしている施設だとか、大学の研究室だとかに彼女は顔を出した。
学んだ知識を窓ガラスに活かすのだと、楽しそうに話していた。
俺はぼけっとしながら観光していたのだが、海産物の美味さには驚かされた。
回転寿司が、回転寿司の味をしていなかったのだ。
『私の旅行に付き合わせちゃってごめんね』
『いいや、充分来た甲斐があった』
回る寿司でこれなら、回らない寿司に行ったら俺はどうなってしまうのだろう。
舌どころが全身が融けてしまうんじゃないかと思った。
その翌日には、海にヒスイを拾いに行った。
『拾ったヒスイでヒスイ入りのガラスを作ろうって思ってるんだろ』
『できたらしたいな! でも設備の問題もあるし、難しいだろうね』
結局、本物のヒスイを拾うことはできたものの、実験に使えるほど質の良い物は拾えなかった。
ついでに彼女はメノウもゲットしていた。
俺もいくつか石を拾ったが、コランダムを拾えてちょっと達成感を覚えた。
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