66: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/15(木) 23:59:29.46 ID:5y9FZK0b0
絵夢が風の魔法を放った。
しかし、フードの男は大してダメージを受ける様子もなく突進してくる。
ガキィン!
67: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/16(金) 00:00:02.66 ID:6W5BK61q0
大きな扉を抜け、城の内部へと駆け抜けた。
絵夢達の宿敵――この城の主、クラシストの玉座に光の玉があると夢覚が告げている。
階段をひたすら上った。
エレベーターもあるが、使わなかった。
68: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/16(金) 00:00:33.35 ID:6W5BK61q0
絵夢達がクラシストと戦った広い部屋に出た。天井も壁も床も白い。
やはり、玉座の上には星のように光るものが浮いている。
ダッダッダッダッ
69: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/16(金) 00:01:29.17 ID:6W5BK61q0
「てめえええ!!!!」
俺は強く剣をイメージした。
そのまま斬りかかるふりをして、ワープで男の背後に回る。
70: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/16(金) 00:01:56.84 ID:6W5BK61q0
『安心して。自分は、この世界の免疫とあなたの想いが合わさって『形をもつ』ことができた存在。『形』が壊れても、存在そのものは消えないんです』
でも、でも、こいつは……!
71: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/16(金) 00:02:43.15 ID:6W5BK61q0
フードの男は凄まじい勢いでこっちに向かってくる。
男の顔を隠していたフードが、走る勢いで外れた。
「お前は――!」
72: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/16(金) 00:03:09.40 ID:6W5BK61q0
『何でお前なんかが……!』
かつて彼女のスカートをめくったあの男子は、ひどく彼女に執着していた。
高校の合否の発表を見に行った日のことだ。
73: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/16(金) 00:03:36.26 ID:6W5BK61q0
『ねえねえ、たっくんは理系に進む? それとも文系?』
『文理が分かれるの、2年からだろ。気が早いな。でもまあ、多分理系を選ぶと思うよ。お前もだろ』
74: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/16(金) 00:04:14.97 ID:6W5BK61q0
『これ見て! 綺麗でしょ』
放課後のことだ。
教室で課題を解いていたら、ブレザー姿の彼女が生き生きとした様子で実験の成果を見せに来た。
75: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/16(金) 00:04:43.30 ID:6W5BK61q0
『イネ科はね、土壌からケイ素を取り込むことで自分の体を丈夫にしてることがわかったのよ』
『ああ……なるほど』
76: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/16(金) 00:05:27.12 ID:6W5BK61q0
時折嫌な視線を感じながらも、平和な高校生活を送ったように思う。
クォ・ヴァディスに悲哀の感情を売り渡したから、単に思い出せないだけかもしれないけれど。
俺達は隣県の大学を受験し、俺は理学部の地球科学科、彼女は化学科に進学した。
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