132: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/18(日) 23:57:39.97 ID:BvLf2b/j0
「モリ……オ……カ……」
低い男の声。
確かに遠峯のものだが、まるで理性を感じられない声色と化していた。
133: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/18(日) 23:59:00.11 ID:BvLf2b/j0
暗雲の中に光るものが見える。
思っていた以上に結晶に近づくことができたようだ。
背筋に悪寒が走った。
134: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/18(日) 23:59:28.30 ID:BvLf2b/j0
今度はあらゆる方向からナイフが飛んできた。
俺のATフィールドはもう限界だ。
やばい、これは死ぬ。
135: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/18(日) 23:59:55.43 ID:BvLf2b/j0
「この世界から出ていけ!」
雲の上に存在する大量のオケナイトを集結させ、無数の針を奴に向かって飛ばした。
奴の体に細くて白い針が突き刺さる。
136: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/19(月) 00:00:24.20 ID:Co1Z/VQm0
巨大なつららをイメージして、空中から遠峯の胸に落下させた。
生々しい音が響く。
「……ふう」
137: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/19(月) 00:00:56.57 ID:Co1Z/VQm0
「恋人を助けたいかい?」
「ナハトさん? じゃない! 大人ヴァルク! 大人ヴァルクだ! 夢の中でだけれど、こうして会えるなんて!」
彼女は知っているキャラクターの姿をした彼を見ると、はしゃいでペタペタと触りまくった。
138: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/19(月) 00:01:26.84 ID:Co1Z/VQm0
「今にも彼の命の灯は消えてしまいそうだ。けれど、君が悲しみを対価に僕と契約してくれれば、彼を助けることができる」
「悲しみを対価にしたら、私はその後どうなるの」
139: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/19(月) 00:01:53.51 ID:Co1Z/VQm0
悪魔は彼女の額に人差し指を伸ばした。
契約は完了した。
「そうだ。あなたの名前、なんていうの」
140: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/19(月) 00:02:21.73 ID:Co1Z/VQm0
目を覚ますと、俺は涙を流していた。
そして、クォ・ヴァディスのことをちょっとだけ憎く思った。
彼が璃奈と契約しなければ、彼女が心を壊すことはなかった。
141: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/19(月) 00:03:08.69 ID:Co1Z/VQm0
続
174Res/112.00 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20