3:名無しNIPPER[sage]
2018/07/29(日) 17:33:51.03 ID:vdaCKn1aO
拡散希望
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4:名無しNIPPER[saga]
2018/07/29(日) 17:35:36.19 ID:e+N85h8HO
開き直って上履きのままで帰ろうかと思ったけれど、親が汗水流して稼いだお金で買って貰ったスニーカーを探さずに諦めるのは申し訳ない。
とは言え、こういう時にどこを探せば良いのだろうか。
思案して、とりあえず校舎裏のゴミ捨て場に行ってみることにした。ゴミ箱入りならそこにあるだろうし、校外であれば私には為す術もない。
5:名無しNIPPER[saga]
2018/07/29(日) 18:18:27.21 ID:e+N85h8HO
「お、こんばんは。こんな時間にどうした?」
それは貴方も同じでしょう、とは言わずに口の中で留めておいた。掃除時間はとっくに過ぎているし、彼が清掃活動に励むタイプだという記憶もなかったけど、今はそれどころではない。
「靴、探してて」
6:名無しNIPPER[saga]
2018/07/29(日) 23:10:02.86 ID:e+N85h8HO
全てのゴミ袋を放り投げると、彼は戸を閉めながら「それじゃ、帰ろうか」と言った。
一緒に帰ろう、という勧誘なのか独り言なのか。繰り返すと私にはそういう友人がいないから、判断することはできなかった。
「それって、一緒にってこと?」
7:名無しNIPPER[saga]
2018/07/29(日) 23:18:25.23 ID:e+N85h8HO
そう言って、彼は手を差し出した。吊られて私も手を差し出すと、軽く手を握られる。
彼の指は少し固くて、男子ってみんなこんな指先なのかなと少し違和感を覚えた。
「それじゃ、帰ろうか」
8:名無しNIPPER[saga]
2018/07/29(日) 23:30:21.92 ID:e+N85h8HO
そんな雑談の中、興味本位なのか彼が尋ねた。どういいの、という質問はまた漠然としていて何とも返し難い訊き方だ。
「太宰とか、井伏とか……分かるかな?」
「太宰って太宰治? 名前くらいは分かるけど、読んだことはないなぁ」
9:名無しNIPPER[saga]
2018/07/29(日) 23:39:55.06 ID:e+N85h8HO
高校に入ってすぐに、文学部のドアを開いた。中学では見つからなかった友人が、ここでは見つかるかもしれないと。
果たしてそこにあったのは、文学部というよりはオタク文化研究会だった。
棚に並んでいたのは可愛らしい挿絵が入ったライトノベルに、最近話題のアニメのDVD。
10:名無しNIPPER[sage]
2018/08/09(木) 14:29:38.25 ID:u6QvXUI50
まだ?
11:名無しNIPPER[saga]
2018/08/11(土) 14:53:00.42 ID:0pc/1CL/O
「へぇ。まあ、君がそう言うならそれはそういうことなんでしょう」
一人で納得して、彼はまた話題を変えた。
「それじゃ、おススメ教えてよ。俺も読んでみるから」
12:名無しNIPPER[saga]
2018/08/11(土) 15:09:56.20 ID:0pc/1CL/O
「斜陽?」
鸚鵡のように、彼は私の言葉を繰り返した。
「太宰の、斜陽」
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