文學少女
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6:名無しNIPPER[saga]
2018/07/29(日) 23:10:02.86 ID:e+N85h8HO
全てのゴミ袋を放り投げると、彼は戸を閉めながら「それじゃ、帰ろうか」と言った。

一緒に帰ろう、という勧誘なのか独り言なのか。繰り返すと私にはそういう友人がいないから、判断することはできなかった。

「それって、一緒にってこと?」

地面に置いていたリュックを背負っている彼に問いかけると吹き出された。笑いを堪えるつもりもないらしく、口を開けて声を漏らしながら返事をくれた。

「そうそう、そりゃあそうだよ。独り言だと思った?」

「いや、私友達いないから。そういうの分からなくて……」

ひどく情けない発言だ。しかし、同じクラスであろう彼なら、きっと私がどういう立ち位置であるかも分かっているはずだ。

「そんじゃ、俺が君の友達ってことで」

「そんな簡単に?」

「友達って、こんな簡単になるものでしょうよ」


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