文學少女
1- 20
9:名無しNIPPER[saga]
2018/07/29(日) 23:39:55.06 ID:e+N85h8HO
高校に入ってすぐに、文学部のドアを開いた。中学では見つからなかった友人が、ここでは見つかるかもしれないと。

果たしてそこにあったのは、文学部というよりはオタク文化研究会だった。

棚に並んでいたのは可愛らしい挿絵が入ったライトノベルに、最近話題のアニメのDVD。

井伏どころか、蜘蛛の糸も羅生門も城の崎も走れメロスも、そこにはなかった。

決して部員の彼らやそれらを否定するつもりはなく、私は落ち込んだ。少なくとも私が期待した文学部ではなかった。

入部の勧誘は強く受けたけれど、期待と現実のギャップが強すぎて私はそれを断った。結果、中学生活の延長みたいな現在がある。

「なるほど。本好きな人って何でも読んでると思ってたけど、そういうわけじゃないんだ?」

「いや、読むことは読むけど」

私だってライトノベルも読めばアニメも見る。ただ、そこにそれを求めていたわけではないというだけで。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
16Res/11.67 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice