文學少女
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11:名無しNIPPER[saga]
2018/08/11(土) 14:53:00.42 ID:0pc/1CL/O
「へぇ。まあ、君がそう言うならそれはそういうことなんでしょう」

一人で納得して、彼はまた話題を変えた。

「それじゃ、おススメ教えてよ。俺も読んでみるから」

「本当に?」

彼が読書を好きでないことを察しているから、つい窺った返答になってしまった。コミュニケーション能力が人並みにあれば、適当に教えて終われただろうに。

「本当、本当。人がそこまで夢中になれるものって、よっぽどでしょう」

そう返されると、拒否することもできない。別に拒否するほどのものでもないんだけど。

それにしても、おすすめを聞かれて急に答えるのは難しい。彼という人となりを知っていれば、それに寄せた返答もできただろうけど、残念ながらそれはできない。

記憶の中の本の山を掻き分けて、たどりついたその名を私は呼んだ。

「斜陽」


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