文學少女
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4:名無しNIPPER[saga]
2018/07/29(日) 17:35:36.19 ID:e+N85h8HO
開き直って上履きのままで帰ろうかと思ったけれど、親が汗水流して稼いだお金で買って貰ったスニーカーを探さずに諦めるのは申し訳ない。

とは言え、こういう時にどこを探せば良いのだろうか。

思案して、とりあえず校舎裏のゴミ捨て場に行ってみることにした。ゴミ箱入りならそこにあるだろうし、校外であれば私には為す術もない。

上履きのままで玄関をくぐり、できるだけ汚れなさそうな場所を選んで校舎裏へ向かう。

体育会系の部活生の叫び声やボールを打つ音が聞こえてくる。

彼らみたいに、部活をするような社交性があれば、今頃靴を隠されるようなこともなかったんだろうな。

私が周囲から浮くようになったきっかけを思い出して少し悲しくなるけれど、また同じ状況を迎えたならば、私はきっと同じことをまた選ぶだろう。

沈んだ目でゴミ捨て場の方へ視線を送ると、男子生徒がいくつかのゴミ袋を放り投げていた。

私の足音でそれに気がついたのか、彼はこちらに視線を向けた。

見覚えのある顔をしていて、それで彼が同じクラスの子だということは分かった。他のクラスに知り合いがいるほど、私は交友範囲が広くない。


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