【モバマス】クラリス「魔女・セイラム」
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28:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/14(土) 18:04:47.97 ID:TXxgAIfuO
 なお慮るように顔を覗き込むセイラムに、私は努めて笑みを向けました。

「あの日。去年の聖誕祭に。言ったでしょう」
「……聖誕祭?」
「この居場所を一緒に守ろうと、貴女が。私は、はいとこたえたじゃないですか」
以下略 AAS



29:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/14(土) 18:05:56.71 ID:TXxgAIfuO
 私が神父様に意思を伝えると、彼はきわめてかしこまったふうに、「あらためてよろしくお願いするよ」とおっしゃいました。ほかのシスターたちも、私の選択を喜んでくれました。

 心新たに、人心のためにさらに努めよう。私はそのように考えるようになりました。

 ――とはいったものの、私の生活が劇的に変わることはありませんでした。
以下略 AAS



30:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/14(土) 18:06:31.20 ID:TXxgAIfuO
 私も倣わなくてはと、そう考えました。

 しかし、私が昼の休憩に求人のフリーペーパーをめくっていると、セイラムが有無を言ういとまもなくそれを取り上げたのです。

「貴女が働きに出る必要はないからね?」
以下略 AAS



31:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/14(土) 18:07:10.35 ID:TXxgAIfuO
 私の顔を見て、セイラムの眉尻が下がります。

「こんな言い分を聞き容れてくれて、ありがとうね」
「……ずるいですわ」

以下略 AAS



32:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/14(土) 18:07:41.19 ID:TXxgAIfuO
 できることは限られました。ならば、限られた中で力を尽くすしかありません。私は、食事や清掃の当番を含め、教会の活動における役割を可能な範囲で最大限に請け負いました。

 雇用に身を置くことはできないにしても、できることには励もう。直接の貢献はできずとも、間接的に支えることはできました。こういった分担までもを、あるいはセイラムたちは考えていたのかもしれません。

 共同生活において、私はセイラムと同室でした。
以下略 AAS



33:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/14(土) 18:08:14.10 ID:TXxgAIfuO
「それにしても、眠いなあ……ね、今日の合わせ、CD使ってくれない?」

 これは、聖歌隊との練習が午後にあった日のことです。冗談めかして言う彼女に、同じような調子でこたえました。

「心苦しいのですが、ダメです」
以下略 AAS



34:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/14(土) 18:08:56.69 ID:TXxgAIfuO
 ――その時間が、このあとにやってくる、嵐の前の平穏であったことを知らずに。


35:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/14(土) 18:09:35.13 ID:TXxgAIfuO
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 教会近くのバラ園で、昨日に最後の一輪が落ちたと聞きました。夏の初めのことでした。


以下略 AAS



36:名無しNIPPER
2018/07/14(土) 18:09:46.64 ID:I5bAL3/9O
アフィに乗りそうなスレがあったら↓をコピペするといい
赤レスがたくさんあると編集の時などにかなり厄介になるぞ!
名前欄や本文に「クリックお願いします」などの文は↓ほど効果はないぞ!
でもやっておいて損はないぞ!

以下略 AAS



37:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/14(土) 18:10:24.99 ID:TXxgAIfuO
 扉を開けてすぐ、神父様とセイラムが食卓に向かい合って座っていることに気付きました。

 何があったんですか――? 軽い気持ちでそう訊ねようとして、ふたりの顔にやっと目を惹かれ、半ばの眠気はひと息に消えて失くなりました。

 悲痛と、虚無。
以下略 AAS



38:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/14(土) 18:11:03.80 ID:TXxgAIfuO
 私は聖堂に身を移して、あとのふたりのシスターと、しめやかに時間の過ぎるのを待っていました。

 やがていつもの起床時刻を過ぎ、定めている朝食の時間を過ぎても、セイラムたちは食堂から出て来ませんでした。

 もうしばらくが経つと、仕事があるからと、一緒に待っていたおふたりが聖堂から出て行きました。
以下略 AAS



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